「絵本はどうえらべばいい?」「いい絵本の選び方ってある?」「たくさんあって、何を選べばいいのかわからない」と悩んでいませんか?
たしかに、本屋さんにはたくさんの絵本が並んでいて、選ぶのに迷いますよね。
絵本の選び方として意識したいポイントは、年齢と成長過程です。
子どもの年齢によって、当然、選ぶ絵本は変わってきます。文字数やことばのリズム、響き、絵の雰囲気など選び方も様々ですが、絵本に書かれている対象年齢を参考にするのも一つの目安になります。
この記事では、
- 年齢別の絵本選びのポイント
- 年齢表示の使い方
- 絵本の配本サービス
などについて、わかりやすく紹介します。
読み終えた頃には、絵本を選びのポイントがわかって、どれにしようか選ぶ時間も楽しくなりますよ。
1.絵本は年齢や成長過程にあわせて選ぶ
本が好きになってほしいという思いから、読み聞かせをしているママやパパも多くいますが、絵本はどう選べばいいのかわからないという方もいますよね。選ぶときのポイントは年齢や成長過程で変わっってきます。
ここでは、そのポイントをそれぞれの年齢別に分けて紹介します。
【0歳】リズムがありデザインのはっきりしたもの
0歳の赤ちゃんでも絵本はちゃんと楽しんでいます。
まだ言葉や内容はわからなくても、反応はなくても、大好きなママやパパの声でリラックスして聞いています。
また、0歳の赤ちゃんは、まだ視力が弱いため、音や声で絵本を楽しみます。そのため、「オノマトペ」のようにリズミカルな音の絵本が大好き。
「オノマトペ」とは、自然の音や声、物事の状態、動きなどを音で表したもので、たとえば、「ぽかぽか陽気」や「ブルブル震える」などのように私たちが日常的に使っている擬音語や擬声語、擬態語を総称したものです。
絵は、細かで繊細なものよりも赤青黄色などの色彩がはっきりしていてシンプルで色はっきりしているものを選ぶのがおすすめです。おおよそ、2歳くらいまでは、こうしたリズムある絵本を楽しんで繰り返し読みます。
また、赤ちゃんは、自分でページなどをめくるのも大好きなので、厚みのあるものだとめくりやすく楽しめます。しかけ絵本などもいいですね。
0歳・絵本選びのポイント
- 「オノマトペ」やリズムのあるもの
- シンプルではっきりしたデザインのもの
- 紙に厚みのあるもの
- しかけ絵本
<作品例>
- じゃあじゃあびりびり (まついのりこのあかちゃんのほん)
- もこ もこもこ (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)
- くっついた
- あかあかくろくろ (いっしょにあそぼ)
- どうぶついろいろかくれんぼ (これなあに?かたぬきえほん)
- いろを さがしに (パタパタえほん)
- Sassyのあかちゃんえほん がおー!
【1歳】身近なもの・起承転結があるもの
1歳を過ぎると歩けるようになったり、食べれるものも増えたり世界が広がって、赤ちゃんの好奇心も止まりません。この頃は、日常の身の回りにあるものなど、自分が知っているものが登場するととてもよろこびます。
また、少しずつお話の流れを理解できるようになるので起承転結のあるものを取りいれていきましょう。
ほかにも、リズムよく身体を動かしたり、「いないいないばあ」のように遊ぶを楽しむもの、しかけ絵本もおすすめです。
(0歳の絵本もまだまだ楽しんでくれます!)
1歳・絵本選びのポイント
- 起承転結のあるもの
- 食べものや動物、乗り物など身近なものが登場するもの
- リズムがあって身体を動かしたり遊びを楽しむもの
- しかけ絵本
<作品例>
- いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)
- しーっ (あかちゃんといっしょ0・1・2)
- だるまさんが
- くだもの (幼児絵本シリーズ)
- おつきさまこんばんは (福音館 あかちゃんの絵本)
- もう おきるかな? (0.1.2.えほん)
- きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)
- おやさいとんとん(ママと赤ちゃんのたべもの絵本 ))
- おさじさん(松谷みよ子 あかちゃんの本)
- しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)
【2歳】日常生活に沿ったもの・ストーリーのあるもの
2歳になると自分でできることも増え、自分以外の人への関心も強くなっていきます。この頃は、例えば、トイレや着替えの話など日常生活によりそったもの、身近なものをお話しにしたものがおすすめです。
いろんな絵本を楽しめるようになるので、その時に我が子が興味をもっているものを絵本に取りいれるのもいいですね。
また、0歳から楽しんでいた絵本や、リズムのある絵本はまだまだ好きです。
2歳・絵本選びのポイント
- 日常生活によりそったもの
- リズムのあるもの
- “今”子どもが興味をもっているもの
<作品例>
【3歳】簡単なストーリーのものがたり・昔ばなし
3歳はおしゃべりが上手になり、好奇心旺盛で想像力も発達して、簡単なストーリー性のある“ものがたり”が楽しめるようになります。読み聞かせをするママやパパも、これまでの絵本の楽しみ方と違ってきたとなと実感できることも。
また、ストーリーの中で繰り返し出てくるリズムある言葉も好きですし、繊細な絵もストーリーとともに楽しめるようになります。そうした要素が含まれる昔ばなしもいいですね。
3歳・絵本選びのポイント
- 簡単なストーリーのものがたり
- ストーリーと絵があっているもの
- 昔ばなし
<作品例>
- てぶくろ (世界傑作絵本シリーズ)
- 三びきのこぶた
- おおきなかぶ
- おむすびころりん
- バルバルさん (こどものとも絵本)
- おばけのバーバパパ
- どうぞのいす
- ねずみくんのチョッキ (ねずみくんの絵本 1)
【4歳】自分を重ねられるもの・長年親しまれているもの
4歳になると日常生活にもこだわりが強く出るようになり、同様に絵本にも好みが出てきます。そのため、絵本を選ぶのが難しくなったと感じるママやパパも多いのではないでしょうか。
また、お友だちとの関りも強くなってくる頃なので、自分だったらどうするかなと主人公と自分を重ねて考えられるものがおすすめです。そうした要素を多く含む、長年親しまれてきた絵本もいいですね。
さらに、好奇心も旺盛なので主人公が活躍してワクワクするようなものも好きです。さまざまな感情が芽生える時期でもありますので、好奇心を刺激したり、いろんな気持ちや世界をあじわえる広いジャンルの絵本を選びましょう。
4歳・絵本選びのポイント
- 好奇心を刺激するもの
- 自分と重ね考えられる身近なもの
- 子どもが好きなもの
- 長年親しまれているもの
<作品一例>
- ぐるんぱのようちえん
- いたずらきかんしゃちゅうちゅう (世界傑作絵本シリーズ)
- そらいろのたね
- かいじゅうたちのいるところ
- ねむりひめ (世界傑作絵本シリーズ)
- バムとケロのおかいもの
- ちょっとだけ (こどものとも絵本)
- ぐりとぐら(こどものとも傑作集)
- 100万回生きたねこ
- スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし
【5歳】少し長めのもの・童話にも挑戦
5歳になると複雑で長いストーリーの絵本でも楽しむことができるようになります。
絵から様々な想像を広げたり、たとえ絵がなくても文章から想像を膨らませることができるので、童話にチャレンジしてみるのもおすすめです。
5歳・絵本選びのポイント
- 長いストーリーのもの
- 童話
<作品例>
- エルマーのぼうけん (世界傑作童話シリーズ)
- モチモチの木 (創作絵本6)
- アンディとらいおん (世界傑作絵本シリーズ)
- おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ)
- ないしょのおともだち
- アレクサンダとぜんまいねずみ ―ともだちをみつけたねずみのはなし
- いやいやえん (福音館創作童話シリーズ)
- ふらいぱんじいさん (日本の創作幼年童話 5)
- きえた犬のえ (ぼくはめいたんてい)
- ゴインキョとチーズどろぼう ―チュウチュウ通り1番地 (チュウチュウ通りのゆかいななかまたち)
2.初めての絵本選びの目安になる“年齢表示”
絵本のなかには、裏表紙に「読んであげるなら3歳から」などと書かれている絵本もあります。この年齢表示は、初めての絵本選びやプレゼントとして贈るときのよい参考になります。
ただし、あくまでも目安年齢となりますので、子どもは実際の年齢よりも上のものでも楽しめたり、逆に低いものを好む場合もあります。
私の娘も2歳くらいの時でも、3歳~5歳くらいのものまで気に入って連日選ぶこともありましたし、そうかと思えば、赤ちゃんの時から読んでいるものを選んでもってくるときもあります。我が家の場合は、寝る前に読み聞かせをしているので、その日の体力や気分で割と的確に選んできているようにみえます。
私は絵本を選ぶときは、あくまでも「あ、この絵本娘に読んであげたいな」と直感で選ぶのですが、文字のボリュームがありすぎるかな?と思ったりしたら、年齢表示してある絵本の文字ボリュームを参考にしたりします。
大抵の場合は、購入してしまうのですが、年齢表示は「あ、これくらいね」と、選ぶときのよい目安になります。
3.プロによる選書が毎月届く定期購読を利用する
我が子への絵本選びは、とても楽しい時間でもありますよね。
ただ、忙しくて選ぶ時間がなかったり、どうしても作品への偏りが出たり、選ぶこと自体が苦手なママやパパもいるのではないでしょうか。そんな方には、毎月プロによる選書で絵本が届くサービスを活用するのもおすすめです。
子どもは、気に入った絵本を繰り返し読むのが好きなので、少ない冊数でも問題ないですが、さまざまな絵本にふれることがおすすめですので、こういったサービスを活用するの一手です。
各社ごとに届く絵本の冊数やサービス内容も様々とありますので、ママやパパがいいなと思えるサービスを選びましょう。
<一例>
- 0歳~小学6年生までのコースがある「絵本ナビ」
- 世界中の絵本が届く「WORLDLIBRARY(ワールドライブラリー)」
- 赤ちゃんのもの~英語絵本まで26コースある「crayonhouse(クレヨンハウス)」
- 0歳~6歳までの月刊誌コース「福音館書店」
この他にもたくさんのサービス企業がありますので、気になる方はインターネットで検索してみてくださいね。
4.自治体が取り組む「ブックスタート」
全国の自治体が実施している「ブックスタート」をご存じでしょうか。
「ブックスタート」とは、赤ちゃんのいる家庭に絵本を送り、赤ちゃんと一緒に絵本を楽しむ機会をつくってもらう活動のことです。
イギリスのバーミンガムで1992年にはじめられた活動で、「Share books with your baby!(あなたの赤ちゃんと絵本を開くひとときを)」の
キャッチフレーズとともに、世界各国で広まっています。
日本では、2000年の「子ども読書年」をきっかけに試みがスタートしました。
ちなみに、全国に先駆けて施行したのは杉並区で、2002年からは本格的に実施されています。
この活動は、2021年現在、1066の市区町村で実施(NPOブックスタート「実施自治体一覧」より)されているそうで、その多くは、0歳児検診の機会を利用して絵本がプレゼントされています。各市区町村により、対象の月例なども異なるそうです。
お住いの市区町村が「ブックスタート」に参加されているか確認をしてみてくださいね。
(参照):NPOブックスタート「実施自治体一覧」https://www.bookstart.or.jp/about/ichiran.php
私も娘の4か月健診でこの「ブックスタート」の絵本をいただきました。
その時に、娘に読み聞かせもしていただいたのですが、読み方がとっても上手で参考になりました。絵本の選び方の相談もしてみたのですが、丁寧に教えていただいて、プロに相談するのもいいなと思いましたよ。
もしも、お住いの市区町村が「ブックスタート」に参加されていない場合なら、図書館の読み聞かせなどに参加したときに相談してみたり、アドバイスをもらうのもいいですね。
さいごに
いかがでしたか?
絵本は、年齢によって興味が出てくるものがどんどん変化していきますので、我が子の成長過程にあわせて選んでみてくださいね。
最終的には、ママやパパが「この本を読んであげたい」と思うものを選ぶのがベストだと思いますが、絵本の選び方に迷ったら、ぜひ参考にしてみてください。
私自身は、娘が生まれる前から、我が子に絵本を選んで読み聞かせをするということに憧れがあり、本屋さんで毎月一冊ずつ選ぶのが楽しみです。これは、仕事に復帰してからも変わりません。また、ネットで購入することもありますが、やはり手に取って内容をみて「あ、これ読んであげたいな」と思ったものを買うのが好きです。