子どもをプロのスポーツ選手にしたいと思う方なら「ゴールデンエイジ」を意識していると思いますが、なかには「そもそもゴールデンエイジって何歳なの?」「ゴールデンエイジを過ぎたら手遅れなの?」と、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
「ゴールデンエイジ」とは、おおよそ9歳から12歳頃で、思い通りに身体を動かすことや、技術の習得が早く、生涯のなかでも運動能力を最も高めることのできる時期です。また、この時期の運動経験が、その後の運動能力や技術習得に大きく影響すると言われています。
この記事では
- 「ゴールデンエイジ」の特徴
- 「ゴールデンエイジ」の3段階
- 「ポストゴールデンエイジ」について
- 「ゴールデンエイジ」にやっておくといいこと
- 「ゴールデンエイジ」を過ぎたら手遅れなのか
などについて紹介していきます。
プロスポーツ選手を目指している人ばかりでなく、生涯の運動能力が決まる時期だとしたら、見逃したくないですよね。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
1.「ゴールデンエイジ」は生涯で最も運動能力を伸ばせる黄金期!
「ゴールデンエイジ」とは、前述のとおり、一生の中で最も運動能力を高めることのできる時期といわれ、年齢にすると9歳~12歳の頃です(※専門家により1~2歳のずれがあります)。身体の成長により、思い通りに身体を動かすことや、見よう見まねでも簡単にあらゆる動作を短時間で身につけることができる「即座の習得」が大きな特徴です。
また、この時期にどんな運動経験をしたかで生涯の運動能力が決まるといわれています。
さらに「ゴールデンエイジ」は精神面でも競争心が旺盛になってくる時期で、高度な技術を身につける子どもが多くなります。この時期に一度習得した技術は、大人になっても身についているので、さまざまな運動経験をしておくことが大切です。
2.「ゴールデンエイジ」の時期は大まか3段階に分けられる
「ゴールデンエイジ」は9~12歳以外にも、その前後で運動能力を開花させるための重要な時期があり、大きく3段階に分けられます。
<「ゴールデンエイジ」3段階>
- プレゴールデンエイジ(5歳~8歳)
- ゴールデンエイジ(9歳~12歳)
- ポストゴールデンエイジ(13歳~15歳)
※専門家により1~2歳のずれがあります
それぞれについて、子どもの成長との中で発達・発育していく時期を曲線で示した「スキャモンの発育曲線」も参考にしながら見ていきましょう。
<スキャモンの発育曲線>
20歳を100%とした発育の特徴をグラフ化したものです。この4つの線のうち、黄色の線「神経型」が運動神経に関わる発育を表しています。
プレゴールデンエイジ(5歳~8歳):運動能力の基礎が形成される時期
急激な発育の時期となる「プレゴールデンエイジ」は、運動能力の基礎が形成される時期です。そのため、この時期にさまざまな身体の動きを体験しておくことが「ゴールデンエイジ」の動作習得や能力開花にもよい影響を与えるといわれています。
「プレゴールデンエイジ」にやっておくと良いことなどをまとめた『プレゴールデンエイジとは?ゴールデンエイジに能力開花させるためにやっておきたいこと』の記事もあわせて読んでみてください。
ゴールデンエイジ(9歳~12歳):運動能力を高めるベストな時期
グラフを見てもわかるように運動に関わる神経系の発達は、ほぼ完成に近づいています。運動能力を高めるのに最適な時期といわれ、あらゆる動作を短時間で習得できるのが大きな特徴です。
なお、この時期の能力開花には、前段階の「プレゴールデンエイジ」での運動の経験よっても変わるといわれています。そして、この時期に習得したものは身体が記憶します。精神面でも競争心が旺盛になり高度なテクニックを身につけることができるようになります。また、生涯の運動能力にも係ってくることから、スポーツ系の習い事を始めるのにもよいタイミングです。
ポストゴールデンエイジ(13歳~15歳):技術の維持や向上に向いている時期
骨格や筋力の発達、呼吸・循環器の発育が著しく身体がしっかりとしてきて、持久力やスピードが備わってきます。また、脳の発達により戦術的な理解もできるようになります。一方で、新しい技術の習得は「ゴールデンエイジ」よりも適しておらず、これまでに習得してきた技術の維持や向上に向いている時期となります。
なお「ポストゴールデンエイジ」は成長の差が大きい時期でもあります。負荷をかけすぎたトレーニングは成長の妨げやスポーツ障害の原因になることもあるので、注意が必要です。
3.「ゴールデンエイジ」はスポーツの習い事を始めもおすすめ!身体を動かす遊びでも◎
「ゴールデンエイジ」期には、全身を動かす運動や、スキルの高い運動で技術を身に着けることで、運動能力全般の上達につながっていきます。
スポーツの習い事を始めるのにも適しています。特に、将来スポーツで活躍させたい場合は、この時期に習い事を始めておくことをおすすめします。また可能なら複数の習い事を行い、さまざまな体の動きを経験させておくことがポイントになります。
ただし、子どもがスポーツ系の習い事に興味を持てない場合は無理にやる必要はありません。なぜなら、あくまでも子どもが「楽しい」と思え集中できることがポイントとなるからです。その場合は、公園などの外遊びで思いきり身体を動かしましょう。ボール遊びや鬼ごっこ、公園の遊具を使った遊びで、さまざまと身体を動かす遊びをすると効果的です。
すでに「プレゴールデンエイジ」の記事を読んでくださった方はおわかりかと思いますが、「ゴールドエイジ」の習い事や遊びは、「プレゴールドエイジ」の延長であることが多くあります。ぜひ「プレゴールデンエイジ」にしたい遊び&習い事も参考にしてみてください。
4.「ゴールデンエイジ」を過ぎたから手遅れとは限らない
プロのスポーツ選手を目指すならば、スポーツ系の習い事は「ゴールデンエイジ」に始めておくことがおすすめですが、「ゴールデンエイジ」を過ぎたからといって100%手遅れとは限りません。なぜなら、成長には個人差があるからです。
また、スポーツによって選手としての活躍できるピークの年齢はさまざまです。
さらに競技によっては、思春期前の早期に始めたことによるスポーツ障害や、燃え尽きてしまうバーンアウトのリスクがあるとも言われています。
「ゴールデンエイジ」は、技術を即座に習得できる特徴がありますが、その時期を過ぎたら手遅れという事ではありません。もちろん、様々なテクニックを習得することも不可能ではありません。「ゴールデンエイジ」のように「即座の習得」は難しくなりますが、トレーニング次第で身につけることは十分に可能です。
さいごに
「ゴールデンエイジ」は、運動能力の基礎が育まれる時期。大人のように頭で考えず、見よう見まねでさまざま動きを「即座の習得」できる時期です。そのため、プロのスポーツ選手を目指していなくとも、「ゴールデンエイジ」には、さまざまな身体の動きを経験しておきたいものです。
最終的にどうなりたいのか(プロになりたいのか、スポーツを楽しみたいのかなど)や競技によっても異なりますが、外遊びでも育むことができます。子どもと思いきり遊ぶことは、ママやパパにとっても運動になりますし、子どもとのよいコミュニケーションにもつながります。そして、思い出にもなるのは間違いないですね。