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ギャングエイジとは?特徴から男女の違い・ない子、接し方のポイント

一般的な言葉として浸透してきている「ギャングエイジ」ですが、なかには「ギャングエイジって何?」「ギャングエイジはいつから始まるの?」「対策や接し方があれば知りたい」と思っているママやパパもいるのではないでしょうか。

「ギャングエイジ」とは、おおむね小学校3年生から4年生ごろに現れる成長過程の一つのことで、仲のいい少人数のグループをつくり仲間だけの世界観を持つようになるのが特徴です。親や先生よりも友だちが最優先となり、親に対しても反抗的な言動がみられることから、悩むママやパパも少なくありません。

この記事では、

  • 「ギャングエイジ」の特徴
  • 「ギャングエイジ」に男の子と女の子の違い
  • 「ギャングエイジ」にならない子どもは
  • 「ギャングエイジ」期の親の接し方と乗り越え方

などについて紹介していきます。

この記事を読んでいただければ「ギャングエイジ」期の子どもの特徴を理解することができ、接し方のポイントを押さえることができます。ぜひ最後まで読んで、「ギャングエイジ」期の乗り越え方のヒントにしてみてくださいね。

1.「ギャングエイジ」とは自立に向けた成長過程の一つ

「ギャングエイジ」という言葉からどんな印象を持ちますか?「ギャング」という言葉かなんとなくよくないイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ここでいう「ギャング」とは、「集団「仲間」という意味で、けっして悪い意味はありません。

個人差はありますが、前述のとおり、一般的には小学3、4年生頃にあらわれる成長過程の一つです。この時期も大人に向かって自立していく大切な時期の一つだといえます。

主に表れやすい特徴をあげてみます。

  • 親や先生よりも友だちが一番になる
  • 同年齢・同性の少人数グループをつくる
  • 仲間以外を敵視する
  • 異性を意識し始める
  • 反抗的な言葉や行動をとる
  • 親にウソをつくようになる

「ギャングエイジ」は、気の合う同年齢の同性同士で少人数のグループを作り行動します。ルールや秘密などを共有して仲間意識を強くしていく傾向があり、グループ内の友だちの存在は絶対的ですが、それ以外の友だちとは遊ばないといったことや、親にウソをつく、反発するなどといった行動もみられるようになります。大人をイライラさせる言動が増えたら「ギャングエイジ」が始まったサインの一つです。

また、身体つきも男女で大きく違いが出てくる頃でもあり、男の子は身長が伸びて筋肉がつき男性らしい身体つきになってきたり、女の子は女性らしい丸みを帯びた体形になってくるなど成長が著しい時期です。身体だけではなく心も急激に成長し、異性の違いを感じるようになります。

一方で、社会的なことまで考えにはおよばない年齢でもありますが、集団になると強気になる傾向があり、学校や地域など公の場でのルールを守らなくなるとなど、思いがけないトラブルまでに発展することがあります。

「ギャングエイジ」が成長過程の一つだからといって、何をやってもよい訳ではありません。社会のルールや、やってはならないことは、しっかりと教えつつ、注意深く見守る必要があります。

男の子はわかりやすく、女の子は気づきにくいことも

男女に関わらず「ギャングエイジ」期は訪れます。素直さがなくなり反抗的になったと感じるなど共有することは多くありますが、男女別にあらわれやすい傾向もあります。

男の子にみられる傾向

男の子は集団で行動することで強気になる傾向にあり、悪いことやハメを外すのがカッコいいと思うようになります。

「みんなでやればコワくない」と授業中にふざけたり、近所でピンポンダッシュのようなイタズラをするようになるのもこの時期です。このように男の子の「ギャングエイジ」は比較的わかりやすい行動をとります。なお、ハメを外しすぎる可能性もありますから、注意が必要です。

女の子にみられる傾向

女の子はグループ内での価値観や意識が強くなり、秘密を持つために大人が気づきにくい傾向があります。

また、気の合わない友だちを仲間はずれにすることもあり、それが、いじめに発展する可能性があります。ただ、本人たちはいじめの意識はないので、些細なことから深刻ないじめにエスカレートしてしまわないよう、注意深く見守る必要があります。

「ギャングエイジ」がない子もいる

最近では都心部を中心に「ギャングエイジ」期を経験しない子が増えていると言われています。これは一見よさそうにも思いますが、集団行動や同世代との関わりから学ぶ機会を得られないまま大人になってしまうということでもあります。

「ギャングエイジ」は、大人数で遊ぶことから得られる、意見の違う相手との折り合いのつけ方や我慢、挫折、調和のとり方、役わりなどの学ぶ機会でもあります。そしてそれが将来に「主体性を持って行動できる」「お互いに気持ちよく生活する」など、社会を上手く生き抜く能力を培うことにつながるのです。

「ギャングエイジ」を通らない要因には、

  • 塾や習い事で忙しい
  • 大人数で遊ぶ場所がない
  • ゲームなど一人で遊ぶものが増えた

など、時間やスペースが限られることにもあります。

こうした状況を大人もしっかりと認識し、様々な経験ができるような環境をつくっていくことが必要なのかもしれません。

一人が好きな子には無理強いをせずサポートする

いじめや仲間外れにあっている訳でもないのに、大人数で遊ぶことや「ギャングエイジ」の特徴でもあるグループに入らず、一人で過ごすことが好きな子もいます。

この場合は、無理に仲間をつくらなくても大丈夫です。子どもは、必要なときに自然と気の合う友だちができるものです。

大人が心配をして無理強いをしてしまうと、かえって子どもがストレスを抱えてしまいます。心配な気持ちはわかりますが、まずはそっと見守り、子どもの様子をみながら、さりげなくサポートしていきましょう。

例えば、子どもの興味があることや好きなことの習い事に通わせる、遊び場に連れていくのもよいと思います。同じことに興味があるということは、価値観が似ているということでもありますから、自然と仲良くなりやすいものです。

2.「ギャングエイジ」期の親の接し方のポイント6つ

「ギャングエイジ」の特徴でもある反抗的な言動など、急な変化にショックを受け、どう接したらいいのかわらないというママやパパもいますよね。ここでは、「ギャングエイジ」期の子どもに接するときのポイントを具体的に紹介していきます。

(1)過干渉にならず「見守る」のが基本

「ギャングエイジ」期の基本スタンスは、命に関わるようなことや他人に迷惑をかけるような行為でない限りは「見守る」です。

この時期は、親との会話を避けるようになることも少なくありません。そのため、何を考え、どんなことをしているのかわからなくなることもあります。子どもの状況を知りたいからと言って一方的に聞いたり、口出しして行動の制限をしたりするのはNGです。親が知りたいタイミングが、子どもが話したいタイミングではないからです。

気長に子どもが自ら話出すのを待ちましょう。そして、子どもから話し出したたら、見逃さず最優先でしっかりと聞くことです。

そうは言っても待ってばかりじゃ、何も話してくれないということもありますよね。

おすすめなのは、ママやパパ自身のことを話すことです。その日の出来事や仕事の話、うれしかったこと、がんばったこと、失敗した事まで、時には簡単な悩みを相談してみるのもいいですね。ママやパパでも失敗することがあったり、がんばって努力しているんだという気づきにもなり、自分もがんばろうと思うことができます。また仕事の話は、案外子どもは好きなものです。自分の親が仕事をしていることは知っているけど、どんな仕事をしているかまでは知らないのではないでしょうか。きっと興味深く聞いてくれるはずです。こうして、普段から、家庭で話しやすい環境を普段から作っておくことがおすすめです。

(2)子どものそのままを受け止める

「ギャングエイジ」に限ったことではありませんが、まずは、子どものいいところだけでなく、一見悪いようにみえるとこをもそのままを受け止めることです。

例えば、癇癪や間違っていること、友だちの悪口でもです。親にいわれなくても「いけないこと」などは、子どもは十分にわかっています。まずは子どもの言葉や気持ちを一旦受け止めて、最後まで話を聞きましょう。この〝最後まで“というのがなかなか難しいのですが、話をすることで子ども自身がどうすべきかを自分で整理して解決策を見出すことができるようになります。

話をきくときのポイントは、否定も肯定もしないということです。ひたすらうなずき、ときに子どもの言葉を繰り返えし聞き役に徹します。子どもは大人が思っているよりも賢いですから、正論を言って成長するチャンスをつぶすのではなく、焦らずに子供を信じ任せることで、自分で解決できる力を育んでいきます。

また、最後までひたすら話を聞くことで、親が話を聞いてくれた、自分を認めてくれたと安心感を抱きます。これは自己肯定感を高めることにもつながります。また、何でも話せる親子関係を築くこともできます。

もしも、間違っていたり、ここは教えなくてはならないといったことがある場合も、話を最後まできいたうえで「ママ(パパ)だったら、こうするかな」「ママ(パパ)は、悲しい気持ちになるな」など、あくまでも主語をIにして子どもを否定せずに親の考えとして伝えましょう。

(3)叩くなどの暴力は制止しながら気持ちをきくチャンス

子どもが叩いたり蹴ったりすると暴力的な大人になるのではないかと心配になりますが、けっしてそんなことはありません。

叩くなどの暴力行為は、

  • わかってほしいことがあるのにうまく言葉で伝えることができない
  • 学校でものすごくがんばっている
  • モヤモヤする気持ちを整理できない

など、何か理由があります。そして、その気持ちをきくチャンスでもあります。

 

まずここでも「暴力はいけないこと」だと教え込むのではなく、子どもが何を伝えたいのか受け止めることです。ただし、何もせず、そのまま暴力だけを受け止め続けるのは、よくありません。叩く手を制止するように握り「どうしたの?何かあった?」などできるだけ穏やかな口調で聞きましょう。

(4)親への暴言はストレートに受け止めない

親に対しての「ばばあ」や「デブ」などといった暴言は、ストレートには受け止めず、ギャグにするぐらいの気持ちでいきましょう。カッとなって感情的になって叱るのは逆効果です。一時のブームが過ぎれば、やがて言わなくなります。

また、言葉遣いや乱暴な口調は、親をマネていることもあるので、自分の言葉遣いや口調などを一度振り返ってみましょう。

(5)家庭ごとのルールを決めケジメを持たせる

「ギャングエイジ」期の子どもは、仲間意識を高めるための秘密やルールなどを持ち信頼感を深めていきます。そのため、親にウソをつく事がありますが、ここでも基本は見守ることです。

ただし、何をやってもよいということではありません。社会のルールや命に関わるようなことはきちんと伝えなければなりません。そのためにも、家庭ごとにルールを作っておくことは大切なポイントとなります。

どこまではいいのか、やってはいけないことは何なのか、そして必ず守ってほしいことなど、家庭のルールとして話しておきましょう。

 

また、やってはいけないというルール以外でも、コミュニケーションのために、「おはよう」や「いってきます」など「どんな時でも必ず挨拶はする」といった家族間のルールを入れるのもおすすめです。

こうしたコミュニケーションをとっておくことは、学校などで親が思うよりも消耗する時間を送っていることがある子どもにとって、ママやパパが「おかえり」「おやつ食べる?」など、といつもどおりに温かく迎えてくれる。それだけで、ホッと気持ちが安らいだりするものです。

(6)小さなサインを見逃さない

注意したいのは、子どもが一人で悩みを抱え込まないよう、小さなサインや変化を見逃さないことです。

 

例えば、

  • いつもと表情が違う
  • いつも以上に反抗的になる
  • ため息が多い
  • 友だちの悪口が増えた
  • 学校に行きたがらない
  • 服がいつもより汚れがひどい、破れている

など、なんとなくいつもと違うと感じたら、トラブルを抱えている可能性があります。

 

こんな時には、じっくりと話を聞くようにしましょう。ただし「いじめられているの?」などとストレートに聞くのではなく「お友だちに何かイヤな事でも言われた?」などのように声をかけてみましょう。

もちろん、その前に子どもから話してくれたら、しっかりと最後まで話を聞きましょう。

3.いじめは親が先走らず子どもと一緒に

子どもがいじめられていることがわかったら、いち早く解決したい気持ちはわかります。しかし、親が勝手に相手の親や先生に話すようなことはしてはいけません。それにより、いじめがエスカレートする場合があるからです。

まず、すべきことは、子どもに以下の2つの事をしっかりと伝えることです。

  • ママやパパにとってかけがえのない大切な存在であること
  • ママやパパはいつでも味方だということ

きっと、傷ついた子どもの勇気と活力になるはずです。

そのえで「ツラかったね」「がんばったね」と気持ちに寄り添い、「どうすればいいのか、一緒に考えようね」とママとパパが子どもと一緒に乗り越える方法を考えていきます。

また、同時に

  • この状況が永遠に続くわけではない
  • 逃げることは卑怯なことではない

ということも伝えておきます。

子どもにとっては、学校や友だちがすべてという狭い世界で生きていますが、大人になるにつれ様々な交友が広がって行きますから、いじめがこれからも永遠に続いていく訳ではありません。もしも、クラス替えがあるなど具体的なことがわかっているようであれば「来年にはクラス替えもあるよ」などと伝えれば、子どもも実感しやすくなります。

暴力的なイジメは例外!即対応する

もし暴力的で過激ないじめにあっていたら、これまでのような対応ではなく、即刻、先生に報告し、相手の親も巻き込む必要があります。なぜなら、大けがや命に関わるような最悪なケースが起きてからでは遅いからです。

仕事を休んででも、子どもとしっかり話し、周りを巻き込んで、即刻対処しなくてはなりません。

お友だちをいじめていたら

もしも、お友だちをいじめていることがわかった場合には、いじめはいけないことだと子ども自身に気づかせることが重要です。むやみに叱っても意味がありません。なぜなら、本人にいじめている自覚がない場合や、いけないことだと感じてないこともあるからです。そこに気づけなければ、同じことを繰り返してしまう可能性があります。

また「いじめているんでしょ」などとストレートに聞くのもNGです。

「(お友だちの名前)は元気?」「最近、遊びに来ないね」「(お友だちの名前)学校にあまり来てないみたいだね」など、さりげなく話すきっかけを作ります。

そして、子どもの言葉や気持ちを受け止めたうえで、いじめがよくないことをしっかりと伝えます。

「ママ(パパ)が(お友だち)だったら、とっても傷つくし悲しいな」

「ママ(パパ)は、あなたが大好き。でも(お友だち)を傷つけるあなたは好きじゃないな」

など、あくまでも主語を「I」にして、相手の気持ちに気づかせるようにします。

 

ここで、注意したいのは、いじめをしている子どもは、自身の気持ちが満たされずに誰かを傷つける行動をしてしまっている場合があるということです。

  • 仕事が忙しくて向き合う時間を作れていない
  • 下の兄弟のお世話などにかかりきりになることがある

こうしたようなことがあれば、短い時間でも二人きりでじっくりと話をしたり、一緒に過ごす時間をつくるなど心のケアをしましょう。

いじめに関わっていなくても伝えたいこと

いじめに積極的に加わっていなくても間接的ないじめになることも伝えたいことです。また、勇気があれば「やめよう」と提案できるといいね、などといったことも。

いじめられている子をかばって、自分の子どもがいじめられるんじゃないかと心配にもなる気持ちもわかります。

しかし、いじめは、いじめている側が悪いことをきちんと伝えることが大切です。もしも、意見をいったことでいじめられたら、勇気をもって行動したことを賞賛し、対処は前述の通り、親が子どもと一緒に乗り越える方法を考えましょう。

4.子育てから離れてリフレッシュする時間も大事

「ギャングエイジ」期の子どもの接し方がわかっても、うまくいかなかったり、続けるのも大変なこともあります。親も人間ですから、毎日の仕事や家事、子育ての忙しさでイライラしたり、不安になることがあるのは当たり前です。中には、「自分が悪いのではないか」と自己嫌悪に陥るというママやパパもいると思います。でも大丈夫!普段の関わりを意識できているのなら、それは必ず子どもにも伝わっています。何しろ子どもは大人が思っている以上に賢いのですから。

子育てで一番大切なのは、ママやパパが心身ともに元気でいることだともいえます。

そのためにも、時には、子育てから離れる時間をつくって、リフレッシュすることがとても大事です。

子育ては、周りを大いに頼っていいですし、周りに頼れる身内がいない方でも様々なサービスを活用したり、日々の中でほんの少しでも自分の好きなことをする時間をつくってみてください。

 

私の場合は、TVドラマが大好きなので、娘を寝かしつけたあとに、毎晩ドラマを1つ観てから寝る。月に一度、休日にマッサージに行く、何か月かに一度は友人とランチをします。夫の場合は、友人と飲みに行くこともあります。

こんな風にリラックスできることは、人それぞれ違います。自分の好きなことを我慢するのではなく、楽しむ時間をつくり、リフレッシュして心身ともに元気に「ギャングエイジ」期も乗り越えましょう!

さいごに

子どもの行動には全て意味があります。「ギャングエイジ」になる前までの純真さを思うと、反抗的な言動にちょっと寂しさを感じますが、順調に成長している証でもあります。

また「ギャングエイジ」は高学年を過ぎると徐々に落ち着いていきますから、今だけみることのできる成長の証として微笑ましく思うくらいの気持ちで見守りましょう。そのためには、ママやパパの息抜きやリフレッシュも大切なポイントとなります。

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