「あれもイヤ!これもイヤ!」毎日続くイヤイヤに疲れきっていませんか?
ちょうどイヤイヤ期になる頃は、歩くのもおしゃべりも上手になってきて、とてもかわいい時期ですが、何をするにも「イヤイヤ」と泣き叫んで、手をつけられないことも。
毎日のことだと「一体いつまで続くの?」「どうすればいいの?」と途方に暮れてしまいますよね。
イヤイヤ期の時期は個人差がありますが、おおよそ1歳頃からはじまり、2歳でピークを迎えるといわれ、長い子では3歳まで続くことがあります。
すでに多くのママが知っていることだと思いますが、このイヤイヤ期は、「自己」が芽生え、自立への第一歩となる成長の時期。
そんな大切な時期は、できれば、ママも笑顔でよりよい成長ができるように促したいですよね。
はたして、この手強いイヤイヤ期に、そんなことが可能なのでしょうか?
結論からいうと、対処のポイントさえつかんでしまえば可能です!
そこで、この記事では
- イヤイヤ期の原因と期間
- 対処のポイントと具体例
- イライラ怒ってしまったときのフォローと叱り方
について、わかりやすく紹介します。
どれもすぐに実践できる簡単なことですので、試してみてくださいね。
今日からはイヤイヤ期を、“自立する姿が目にできる”ほほえましい貴重な時間に変えていきましょう。
1.イヤイヤ期は主に1~3歳でピークは2歳
イヤイヤ期は個人差が大きく、早い子だと1歳からはじまり、長い子では3歳頃まで続きます。
特に「魔の2歳」とも呼ばれるように、2歳でピークを迎え、この頃の対応に悩むママが多くいるようです
自己が芽生える自立への第一歩
イヤイヤ期は、子どもに“自己”が芽生えたという証拠。つまり自立への第一歩を踏みだしたということで、すべての人が成長するうえでとおる道なのです。
もちろん、ママになった私たちも、子どもの頃に通ってきた道で、まわりの大人が根気よく向き合ってくれたはずです。
個人差が大きくイヤイヤ期のない子も
一般的なイヤイヤ期のピークは2歳といわれていますが、個人差が大きく、2歳よりも3歳の方がひどかったとい方や、なかには「イヤイヤ期はなかった」という方もいます。
実は、私も「イヤイヤ期がなかった」と感じる一人です。そのことについては、また別記事でお話ししたいと思います。
「魔の2歳」の次には「悪魔の3歳」そして「天使の4歳」がやってくる
一般的なイヤイヤ期のピーク「魔の2歳」を過ぎると、「悪魔の3歳」その先に「天使の4歳」がやってくるともいわれています。
「天使の4歳」という言葉、わくわくしますよね!
反対に「え、3歳になってもまだまだ続くの?」と、ガッカリしたママもいるのではないでしょうか。
でも、大丈夫です!
なぜなら、イヤイヤ期の対処のポイントは何歳でも同じだからです。
そのポイントをしっかりとお伝えしていきますので、 最後まで読んでみてくださいね。
2.イヤイヤの原因=気持ちを理解してもらえないことがイヤ
より対処ポイントを掴みやすくするために、イヤイヤ期がなぜ起こるのかを、まずは知っておきましょう。
イヤイヤ期の原因は、実はたった一つ。
『気持ちを理解してもらえないのがイヤ』という意思のあらわれなのです。
けっして、思いどおりにならないからではないのです。
3.「イヤイヤ!」への対処のポイントはたった2つ!
イヤイヤ期の原因がわかったら、対処のポイントはなんとなくわかる方もいるかと思いますが、下記のたった2つだけです!
- 不可能なことでも一旦気持ちを受け止める
- 行動はゆずらない
次から、具体的にみていきましょう。
Point.1 不可能なことでも一旦気持ちを受け止める
子どもが「したい」といっていることが不可能な場合でも、まずは、一旦、気持ちを受け止めます。
そうすることで、子どもは自分の主張を認めてもらえたと安心をします。
そのうえで、不可能な場合は、なぜできないのかを伝えるようにしましょう。
具体的には、「〇〇なのね」と、子どもがイヤと言っていることをリピートします。
例えば、「これがイヤ!あれがいい」と言っている場合には、「〇〇がイヤなのね、あれがいいのね」とリピートします。
何に感情的になっているのかわからない場合は、子どもの様子をみて「〇〇がひとりでできなくてイヤなのね」と、子どもの行動と感情を結びつけてあげます。
もしも、それをするのが不可能な場合は、気持ちを受け止めた言葉の後に「今は〇〇だから、〇〇したらしようね」と約束をします。
そして、その約束は必ず守るようにします。
Point.2 行動はゆずらない
この時期は、感情のコントロールも学ぶので、不可能な要求をすべて聞き入れていると「泣けばいうことを聞いてもらえる」と覚えてしまいます。
あくまでも、気持ちは受け止めつつも基本的に行動はゆずらないようにしましょう。
例えば、朝食におにぎりを出したら「パンがいい!」とイヤイヤがはじまったら「パンがいいのね」と気持ちを受け止めますが、パンに替えることはしません。
「じゃあ、さきに卵をたべてみる?」など、ほかのものを食べる提案をしたり、タイミングを変えて声をかけるようにします。
それでも「おにぎりはイヤ!」というようなら「おにぎりはイヤなのね」といって片づけてしまいましょう。
私の娘もこのパターンはよくあります。
- 食後のフルーツを先に食べたい
- パンが食べたいといったら出してくれるかも
など、毎回、理由も微妙に違いますが、フルーツが先に食べたい様子だったら、
「ほかのもの先に食べるのはどう?」という提案をして、全て食べ終えた後に、「おにぎり食べる?」と聞くと「うん、食べる!」といってたいてい食べています。
後者なら「食べたくないのね」「いいよ、じゃあママがおにぎりを食べてもいいかな?」というと「イヤ~、食べるの!」といって、食べはじめます。
あくまでも気持ちは受け止めて、おにぎりを食べてもらうようにします。
けっして、パンに替えることはありません。つまり、行動はゆずりません。
それでも、「パンがいいの!」と言い続けるときもありますが、私の場合、保育園のある日は、なるべくご飯を食べてほしいと思っているので、
「パンがいいんだね。でも今日はパンがないから、次のお休みの日にパンにしようね。約束ね。」といいおにぎりを食べてもらいます。
そして、土曜の朝に、娘が忘れている場合でも、「お休みの日にパンにしようねと約束してたもんね」と伝えながら、その約束を果たすようにしています。
4.年齢ごとの発育の段階と、効果的な「声がけ」
イヤイヤへの2つの対処ポイントを掴んだら、次に年齢ごとの効果的な声がけについて紹介します。
1歳と3歳では、言葉や身体の発育の段階も違いまので、当然、効果的な働きかけも違ってきます。
もちろん、発育も個人差がありますので、それぞれ目安として使い分けみてください。
1歳は挑戦する好奇心が育つ時期=「できたね」
1歳の頃は、いろんなものに好奇心が沸いてくる時期なので、可能な限り挑戦をさせてみましょう。
例えば、おもちゃを投げるなどの行動でも「投げられたね」とできたことを認めて、「次からはボールを投げようね」と促します。
これを繰り返すことで、望ましい行動を覚えつつ、やる気が育っていきます。
2歳は自己主張が強くなり知能が発達する時期=「したいのね」
知能が発達すると「自分でやりたい」という自己主張が強くなってきますが、言葉も身体も未熟で「やりたいのにできない」というもどかしさにイライラする時期です。
その「やりたい」という挑戦の気持ちをくんで「〇〇したいのね」などと共感を言葉にしましょう。 この時に、子どもが話す言葉を繰り返す、また、抱きしめたり、手を握るなど身体にふれることも効果的です。
3歳は自立心が芽生える時期=「〇〇なのね。+ 提案や選択の言葉」
3歳の頃は、「自分でやりたい」がさらに強くなり自立心が芽生える時期です。
2歳よりも身体も発達したとはいえ、まだまだうまくできないことが多くあるので、さりげないサポートすることがカギとなります。
うまくできない場合でもやる気を尊重して、「これがやりたいのね」「どっちがいいかな?」「これは試してみた?」などのように気持ちを受け止めつつ、自分で考えさせたり、さりげなく解決策の提案をして考えて、自分で考えてできたという達成感につなげてあげます。
5.こんな時はどう対処する?具体例7選
対処のポイントや年齢ごとの効果的な声がけを、より実践しやすいように、この「イヤイヤ期」の時期によくある具体例を7つ選んで紹介します。
(1)“友達のものを取ったとき”も気持ちを受け入れて行動を促す
一見、いじわるや傲慢(ごうまん)のように見える行動ですが、所有欲があるというとても健全なことです。
「ダメでしょ」とすぐに言いたくなりますが、「これが使いたかったのね。今は〇〇ちゃんが使っているから終わったら貸してもらおうね」と、一旦気持ちを受け止めてから望ましい行動を教えます。
また、この時「ごめんなさいはいった?」と、強制的に子どもに謝らせないこともポイントです。
代わりにママが「ごめんなさいね」と謝るようにします。
子どもは親の行動をみて学びますので、ママが謝る姿をみて、これはやっちゃいけないことなんだ、ということを学んでいきます。
(2)“叩く”のは、家族になら甘えたい表れ
ママやパパなど家族に対して叩く行為があれば、「甘えたい」という気持ちの場合が多くあります。
その場合も「〇〇なんだね」と一旦気持ちを受け止めて、「だけど、叩かれたら痛くて悲しい気持ちになるから、叩かないでほしいな」とママの気持ちと、「次からは○○だよって教えてね」など、具体的にどうしたらよかったのかを伝えるようにしましょう。
もしも、お友達やほかの人を叩く場合は、止めに入り、ママが「ごめんなさい」と謝ります。
そして、みんなから離れた静かな場所で「イヤだったんだね」「怒ったんだね」などと気持ちを受け止めて、「でも叩くのはよくないことだよ」と“叩くことはいけない”ということもきちんと伝えます。
もしも、話ができる頃であれば「叩くのはいけないことだよ。〇〇だよって、お話しして伝えようね」と、どうすればよいのかをきちんと伝えましょう。
また、この時期は、イヤという気持ちとは逆の「うれしい」「一緒に遊びたい」という気持ちをうまく伝えられずに、叩く、強くつかむなどの行動をとる場合があります。
その場合も同様に、「会えてうれしかったんだね」などと気持ちを受け止め、「だけど、たたくのはよくないことだよ。悲しい気持ちになっちゃうよ」「次からは、『一緒に遊ぼう』と言葉で伝えようね」などど、叩いたり、強く掴むのはよくないこと、どうしたらよかったのか、を伝えるようにします。
(3)できるはずなのに「やって」と甘えるときは手伝って促す
ここでも「いいよ」と一旦受け止めます。
そして「ここまでお手伝いするから、ここからはできる?」と自分でできるように促します。
気持ちを受け止めてくれたことで、自分でやるようになっていきます。
(4)ごはんの時に遊びだしたら片づける
「もうお腹いっぱいなのね」「ごちそうさましようね」といって片づけましょう。
その時に「食べたい!」といったら「ごはんのときは遊ばないでちゃんと食べようね」と約束をします。
それでも、何度も繰り返すようなら「ごちそうさましようね」といって、泣いても片づけます。
(5)「眠くない」と遊ぶときは次の約束をする
すでに遊び出していたら「この2つができたら、寝ようね」「これを見たらおしまいね」と終わりの約束をします。寝室で「眠くない、これで遊びたい」といい出したら、「今は寝る時間だから、明日、起きたら遊ぼうね」と電気を消して一緒に寝ます。そして、翌朝に必ず約束した遊びをします。
(6)「まだやりたい」と帰ろうとしないときは具体的に示す
時間を理解できないこどもに「〇時までね」といっても理解できないので
- 「長い針が一番上の12のところまできたら帰ろうね」
- 「あと3回やったらおしまいね」
などと、具体的に約束をします。
そして、終わりが近づいてきたら「最後の1回はどんな風にしようか」と最後の1回を盛りあげて気持ちの切り替えができるようにします。
私の場合、腕時計をつける習慣のないので、時計のない公園で遊ぶときは、スマホの時計を見せながら「ここが今“1”なんだけど“10”になったら帰ろうね」と話します。
(ちなみに、数字はまだわかりませんが、それでも具体的に伝えます)
そして、10分になったら「みて10になったよ」とスマホを見せて伝えます。
そうすると「10になったの?」ともっと遊びたい気持ちがあるにも関わらず約束をきちんと守ります。
本来ならここで帰るのがいいと思いますが、娘は約束を守ってくれるようになったので「うん、10になったから、最後に1つだけやって帰ろう!何にしようか」と最後の1回を盛り上げて遊びきって帰ります。(あくまでも娘の様子からやっていることなので、「もっと遊びたい」と逆効果になる可能性もありますので様子をみながら試してみてくださいね)
(7)何をやってもおさまらないときは30秒待つ&気分を切り替える
気持ちを受け止めても、何をしてもイヤイヤが収まらないときもあります。
そんなときは、気分が切り替わるようにしてみましょう。
例えば、
- 抱っこして窓の外を見る
- 部屋の空気を入れ替える
- その時期に興味がある遊びに誘う
- 水を飲む
など。
また、時には放っておくほうが気持ちの整理ができて落ち着くという場合があります。
「〇〇なのね」とリピートした後に、黙ってひたすら待ってみましょう。
時間にすると10~30秒はじっと待ってみます。やってみると10秒でも意外と長く感じます。
この間にママのイライラする気持ちも一旦落ち着つくことができますし、子どもも不思議と落ち着くことが多いです。
このじっと待つ時間に抱きしめたり、抱っこしたり、手を握ったりするのも効果的です。
その後に「〇〇してみる?」などと、子どもの気持ちを聞くようにします。
ここで注意したいのは、否定をしたり、脅したり、お菓子でつることなどはしないことです。
6.イライラとっさに怒ってしまったときのフォロー&叱り方
ママだって人間ですから、当然、その日の体調や、時間に余裕がなかったり、予期せぬことが起こると、対処法がわかっていても、イライラして思わず怒ってしまうことがあります。
そして、子育てに一生懸命であればあるほど、怒ってしまったことで自己嫌悪に陥ったりしがちですが、落ち込まなくても大丈夫です。普段の関りがきちんとできていれば問題ないはずです。
ここでは、イライラ怒ってしまったときに、フォローとしてやっておきたいこと、とっさに怒るときのし叱り方ポイントを紹介します。
なぜ怒ったのかを伝える
「〇〇はしてほしくなかったんだ」「○○が嫌だったの」と何に対して怒ったのかを伝えましょう。
きちんと理由を伝えることで、子どももなぜ怒られたのか、何がいけなかったのかを理解することができます。
ポイントはあくまでも何に対して怒ったのかのみを伝えること。
注意したいのは、子どもの人格を否定するようなことや、怒った原因以外のことまでいわないことです。 「自分はダメなんだ」と自己肯定感を下げてしまい、怒られた印象しか残りません。
スキンシップをする
「ママは〇〇が大好き。でも〇〇はしてほしくなかったんだ」と抱きしめます。
子どもの事は大好きで大切だということを伝え、何に怒ったのかを伝えます。
子どもも何に怒られたのか理解できて、自分の存在が大切なことも伝わります。
またママも子どもの存在を否定することなく、怒ってしまったことについて落ち着いて話ができます。
余談ですが、抱きしめたりするスキンシップは、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」を分泌させてくれるそうですよ。怒ってしまったとき以外にも、ギュッと抱きしめたり、手をつないだり、積極的にスキンシップをとりたいですね。
とっさに叱るときは目をそらして
どうにもイライラが収まらず怒ってしまうときは、口調も表情もきつくなるので、子どもの目を真っすぐみて叱ると「こわい!」という印象だけが強くなってしまうため、目をそらして叱るようにします。
また、イライラしていても「ママは〇〇で困るの」と自分を主語にしていうと、子どもを責めることなく、何がダメなのか伝えることができます。
実は、私は、これで一度失敗しています。
ごはんの時にお皿をバンッバンとテーブルに置く娘に「お皿が割れちゃうよ、お皿が割れたらケガをするかもしないし危ないからやめようね」と伝えても何度も繰り返すことにイライラ、目を真っすぐ見て「ダメ!」と思わず強く怒ってしまいました。
すると、両手で顔を覆って、指の間から、そ~っと怯えながら私の顔を見る娘の姿が。
初めてみる姿に「ハッ」として、やってしまった~と思いました。
そして、その後に落ち着いて説明しても伝わっていないのがわかりました。
冷静に話しながら伝えられるときと、愛情を伝える言葉は、しっかりと目を見て。
とっさに叱るときは目をそらして、というくらいがちょうどいいですよ。
さいごに
いかがでしたか。
イヤイヤ期は自己が芽生えるとても大切な成長の時期。
「自分でやりたい!やれる!」という気持ちを受け止めて、そのやる気を上手に育ててあげたいですよね。
そのポイントはたった2つ「気持ちを受け止める」「行動はゆずらない」ということです。
これはパパにも同じ対応してもらうことがベストなので、ぜひ、共有してみてくださいね。
また、ママもがんばり過ぎないことも大切です。
時にはしっかりとリフレッシュすることが、とても大切なことになりますよ。
「自分でできる!」と背伸びした、とってもかわいいイヤイヤ期。
今日からはイライラしてきた時間を、ほほえましい貴重な時間に変えていきましょう。