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小1の壁とは?フルタイムでも退職せずに乗り越える9つの準備と対策

「小1の壁」という言葉もだいぶ浸透し、保育園の年長さんの子どもを持つママやパパの中にも心配して方もいるのではないでしょうか。また一方で「小1の壁って何?」「子どもが小学生になったら仕事をがんばろうと思っていたのに難しいの?」と、具体的によくわからないという方もいますよね。

小1の壁」とは、共働きの家庭で、子どもが小学校に入学したことで仕事との両立が難しくなる状況をいいます

保育園では仕事が終わるまで預けることができますが、小学生になれば15時前後には下校時間になります。また、夏休みや冬休みなどの長期的な休みなどもあるため、子育てと仕事の両立に悩むママやパパが多くいるのです。

 

この記事では

  • 「小1の壁」とは何か
  • フルタイム勤務が壁となるのは本当なのか
  • 「小1の壁」を乗り越えるための準備と対策
  • 入学後に起きた問題への対処法

などについてまとめています。

この記事を読んでいただければ、「小1の壁」に対して役立つ準備と心構えができますよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.「小1の壁」とは共働きの家庭で起きる問題

「小1の壁」とは、主に共働きの家庭において、子どもの小学校への入学を機に直面する問題です。生活のリズムが変化することや、その多くは保育園のように長時間預けることができなくなることによって、仕事と育児の両立が難しいと感じるようになります

具体的な例として以下のようなことがあげられます。

  • 子どもの登校時間が親の出勤時間より遅い
  • 下校時間が14時~15時と早い
  • 学童は18時頃までしか預けられない
  • そもそも学童に預けられない(待機)状況
  • 夏休みなどの長期休暇がある
  • 時短勤務制度がなくなる
  • 宿題をみなくてはならない
  • 学校の行事やPTA活動など保護者参加型が多い

問題となる多くは、保育園のように親の仕事の都合で子どもを預けることができないことにで、特に放課後の過ごし方にあります。

企業にもよりますが一般的に時短勤務制度の多くが、子どもが3歳になるまでや小学校入学前までという場合が多いのが現状です。親がフルタイム勤務をしている場合に、仕事が終わるまで子ども安心して預けられる環境がないことが課題としてあげられます。

例えば、会社に通勤している場合は8時間労働に加え通勤時間加わり10時間以上時間を取られるケースもありますし、17時や18時に終わってすぐに子どもを迎えに行ける訳ではありません。

また、保育園に待機児童問題があったように、地域によって学童にも入れないことがあります。

そして、たとえ学童に入れても保育園のように仕事の都合にあわせた時間延長などはできません。そのため、親が帰宅できるまでの時間をどう過ごさせるかが課題となります。

小学生になったからといって、すぐに一人で留守番をするのは難しいですし、何よりも心配です。そのために退職や時短勤務、正社員からパートタイムに切り替える方もいるのです。

さらに、夏休みや冬休みなどの長期休暇ともなれば、学童に入っていても毎日お弁当必要になり、ただでさえ慌ただしい朝の時間の負担が増えます。

長期休暇でなくとも学級閉鎖や休校になったり、PTA活動や親の参加が必要な行事が多いことや、宿題を見なくてはいけないなど家庭でやらなくてはいけないことが増えていきます。休暇を取ることが増えたりすることで、仕事の調整が難しくなったり、職場で肩身の狭い思いをすることが少なくありません。

「小1の壁」の先にも壁はあらわれる

「小1の壁」と同じように、「小3の壁」「小4の壁」という言葉があります。

「小3の壁」は、主に学校の授業についていけなくなる子どもが多くなる時期となります。「小4の壁」は、子どもの脳の発達により、周囲環境や学習などに劣等感を覚え、やる気をなくしたりする時期と言われています。

「小1の壁」を乗り越えてもまだ壁があるのかと思ってしまいそうですが、心身ともに成長する子どもは、その先にも、やがて思春期も迎え、自立していきます。こうした大切な成長期に、しっかりと子どもと向き合う時間をとり、親子でどう問題に対してクリアしていくのか、一緒に考え対策していきたいものです。

大変そうにも思いますが、子育ての時期は限られています。悔いのないようにしっかり子どもと向きあっていきたいですよね。

「小1の壁」がきっかけで退職検討するママは4割

では、実際に「小1の壁」が原因で退職や働き方を考えるママは、どれくらいいるのでしょうか。

一般企業の調査(https://www.atpress.ne.jp/news/342081)によると「小1の壁」で転職や離職など働き方の変更を検討した方は4割という結果でした。その中で退職をしてパートタイムなどの働き方に変更を検討した方は3割弱いたそうです。

その多くは、長期休暇の対応に不安をもつ方が多く、「もう小学生だから」と扱われることで起こる「小1の壁」を強く感じるという調査結果でした。

2.フルタイムでも「小1の壁」を乗りきる9つの対策と準備

「小1の壁」がある一方で、小学校に入学してからも仕事と育児を両立している方はたくさんいます。退職をすることになったママと働き続けるママとの悩むポイントの多くは共通することでもあるはずです。

では、どうすれば退職することなく、かつフルタイムで仕事と育児の両立ができるのでしょうか?

ここでは、「小1の壁」を乗り越えるための9つの準備と対策について、紹介していきます。

(1)学童は大きく分けて3種類ある!家庭ごとにあう学童を利用する

希望者が多くは入れないことや、預けられる時間が18時頃までといった制限もありますが、まずは低学年中には利用したいものの一つが学童です。徐々にではありますが、待機児童問題や預けられる時間の延長などの対策もされはじめているようです。

また、学童は知っている友だちも多く、保護者同士も顔見知りであることが多いので安心して預けられるメリットがあります。

反対に友だちが多いゆえ、すぐに遊んでしまうというデメリットもありますが、学童で宿題を済ませておくというルールや約束をしておくと帰宅後の負担も減らすことができます。

大きく分けると3種類ある学童の違い

学童」と一言でいっても運営者により費用や内容は異なります。種類は大きく分けると3です。その特徴を表にまとめてみます。

種類

運営 月額費用 長期休暇

利用条件

1

放課後児童クラブ 公設公営

5千~1万円

保護者就労など

2

放課後子ども教室 公設公営

3千~7千円

×

全小学生

3

民間学童保育 民間企業・学校法人

3万~5万円

年齢制限・条件なし

※月額費用は一例の目安です。お住いの自治体や運営者により異なります。

 

「放課後児童クラブ」は、厚生労働省が設置と運営を行い、保護者の就労などが利用条件となります。

場所は、小学校の敷地内や児童館などで実施され、夏休みなどの長期休暇中の利用も可能ですが、夜は18時に閉まるところが多いのが現状です。職員が1名以上配置され、一緒に遊んだりして過ごします。費用も比較的安価です。

 

「放課後子ども教室」は、文部科学省が設置し、運営は民間企業やNPO法人、父母会が行っています。

小学生であれば、保護者の就労に関係なく利用が可能です。地域ボランティアや父母、退職職員などが配置され、交流活動やスポーツなどをして過ごします。「放課後児童クラブ」が年間250日以上開いているのに対して、「放課後子ども教室」年間120日程度で、継続的に行っているところもあれば単発のところもあります。また閉まる時間も早いため、低学年の子どもよりも一人で留守番のできる子どもにおすすめです。

 

「民間学童保育」は、民間企業や学校法人が運営を行っています。保護者の就労や年齢での利用制限はありません。

費用は高めですが、その分サービスが手厚くなり、内容や特徴も様々でスポーツ教室や学習塾などプログラムを選ぶこともできます。また、預かり時間も夜遅くまで対応しているところや夕食のサービスがあるところなどもあります。18時までのお迎えが難しい方や一年生から習い事をさせたい方におすすめです。

(参考資料)

・厚生労働省「放課後児童クラブ関係資料」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000192611.pdf

・文部科学省「新・放課後子ども総合プラン」https://manabi-mirai.mext.go.jp/torikumi/hourei-plan/plan/shin-houkago.html

 

(2)習い事をさせる

小学生になってすぐに習い事をするのは難しい場合もあるかもしれませんが、最近では、送迎サービスのあるところも増えています。

また、レッスンの前後の時間も待たせてくれるところや、一か所で複数の習い事を実施しているところなど、長時間利用できるところもあります。

学年があがり一人でも留守番することができるようになってくると学童を利用しないこと子どもが多くなるため、習い事の情報収集は予めにしておくのがおすすめです

 

(3)家族や身内を頼る

実質的な距離や、関係性にもよりますが、身内が近くにいるなら頼りましょう。(私の身内はすべて遠方なので、これができる方は本当にうらやましいです!)

イザという時に、気兼ねなく最も頼れるのはやはり家族などの身内です。両親にとっても、孫と会えるのはうれしいと心よくサポートしてくれる可能性があります。

もちろん、親やきょうだいだからと言って甘えすぎはダメですが、緊急な時など負担のかからない範囲でサポートしてもらいましょう。

 

(4)ママ友・パパ友で支えあう

同学年や学年の近いママ友やパパ友とお互いに助けあうのもおすすめです。子どもを安心して預けあったりできるほかに、情報交換など交流もできるといったメリットもあります。

ただし、互いに助けあうということが前提ですので、預かってもらうことが多くなるのであれば、休みの日に預かるなど、片方に負担がかからないように気を付けることが大切です。

緊急時に連絡が取りあえる関係性を築く必要がありますが、お互いにサポートできれば安心できる心強い味方です。

 

(5)役所に相談する

お住いの自治体で子どものいる家庭を支援してくれる「ファミリーサポートセンター」事業をやっているところが多くあります。有償にはなりますが、子どもの送迎や預かりなどを行ってくれます。

ただ、協力会員の登録が少なく予約が取りにくいことや、個人間のやりとりなので、責任問題なども追及しにくいといったデメリットもあります。自治体によっては、独自で取り組みを行っているところもあります。習い事の送迎をお願いすることもできますので、まずはお住いの役所の窓口に問い合わせて情報を得ておきましょう。

 

(6)職場に相談する

相談ができる雰囲気の職場かどうかという問題もありますが、まずは、率直に上司や人事部に相談をしてみましょう。

最近は、子育て支援に積極的に取り組んでいる企業も多くありますので、時短勤務やリモートワークが難しい職種でも、残業をせず提示で帰宅できるようにしてくれるなどの配慮をしてくれる可能性や、提示であがりやすい部署に異動させてもらえる可能性もあります。

また、予め状況を話しておくことは、職場にとっても急な休暇に対応できる体制やチーム作りを考えることもできるメリットがあります。忙しい同僚を横目に定時で仕事を切り上げる、急な休暇を取ることは気が引けるからこそ、現状を伝えておくことや相談することは大切です。

 

(7)宿題のルールを決めておく

学童を利用するでも記載しましたが、学童内の時間で宿題を終わらせておくと、帰宅後の負担を軽くできます。

学童の内容や習い事などで出来ないときは、夕食を用意している時間に終わらせるなど、ご家庭ごとにルールを決めることをおすすめします。毎日の習慣化にすれば、子どもが自主的に取り組むようになり、無駄に叱ることがなくなりますし、その後がスムーズで楽です。

 

(8)留守番のルールを決めておく

学童の利用や習い事をしたり様々な協力を得ても、一人で留守番しなくてはならないという状況も出てきます。

そのため、一人で留守番をする場合の約束を決めておきましょう。

例えば、

  • 家に着いたらLINEやSMSで連絡をする
  • お友だちと遊びに行くときも連絡をする
  • お友だちでも家に入れない
  • 家の人が不在のお友達の家では遊ばない
  • インターフォンがなっても絶対に出ない
  • カギはランドセルにつけたまま外さない
  • 電子レンジ以外は使わない

など、ご家庭ごとに必要なルールを決めます。

子どもは大人が思っている以上に順応性があるものですので、まずは信頼して任せてみましょう。

 

(9)小学校入学前に文字や数字に慣れておく

文字や数を覚えるような勉強は、小学生になってから覚えればいいと書かれたものをよく見かけますが、小学校入学前には自分の名前くらいは書けるようにしておくことをおすすめします。授業中も宿題にも必ずと言っていいほど名前を書かなくてはいけません。名前を書けないことで、勉強への苦手意識を持ったり、自信をなくしてしまってはもったいないです。

また、勉強まではいかなくても、普段の生活のなかで数や時計に慣れておきましょう。例えば、お菓子を同じ数ずつ分けてもらう、この遊びは長い針が長い針が4の20分のところまでだよ、などと日々の生活の中で自然に何度も触れるようにしてみてください。

 

ちなみに、私の娘が自分の名前を書けるようになったのは3歳のときですが、特に勉強したり教え込んだことはありません。ただ下準備はしていました。とても簡単なことですが、娘の絵本棚の近くの壁にひらがな一覧表を貼っておいただけです。

そのうち、一覧表に書いてある絵とひらがなを見ながら「いぬの、い」「かさの、か」など、一人で指さしながら遊んでいるのを目にするようになったので、「〇〇ちゃんの名前がどんな文字かみてみる?」と聞いたら興味を持ったので教えました。その後、しばらくしてから、お絵かきをしているときに「お名前、こう書くんだよ」と見せたら、マネしながら書きだし(ほとんど書けていませんでしたが・笑)、徐々に一人でも書けるようになりました。

これは娘の場合のほんの一例ですが、無理に教えてイヤになられるより、普段の生活の中で自然に触れるような働きかけがおすすめです。

 

3.入学後に「小1の壁」にぶち当たったらやる3つのこと

どんなに準備や対策を万端にしても、予期せぬことは起こるものです。壁となるものはさまざまですが、対処の基本は同じです。それをベースにしたうえで、課題を1つずつ解決させていきましょう。

(1)子どもの気持ちや想いをしっかりと聞く

最も大切なのが子ども気持ちや想いをしっかりと聞くことです。そのため起きた問題の解決策を大人だけで話すのではなく、子どもも含めて、話し合いをするようにします。

時に、子どもは大人が思いもつかないようなアイディアや考えを言ってくれたり、ヒントがたくさん詰まっていて、大人同士であれこれ考えるよりも以外にも簡単な方法が見つかる可能性があります。また、子ども自身が自分のアイディアが採用されたとなれば、自信やモチベーションにもつながります。

そして、「小1の壁」とは別に「小1プロブレム」とよばれる壁もあります。これは、働く親に起こる壁ではなく、子ども自身が学校生活になじめない、集団行動がとれないといった状態をいいます。

ただし、対処の基本は同じです。まずは子どもの気持ちなどをしっかりと聞くようにします。そのうえで、親がサポートすべきところ、見守るところなどを一緒に考えていきましょう。そのためにも日々の出来事や気持ちなど、普段から話しやすい関係を築いておくことも重要なポイントです。

 

(2)優先順位の高い課題から解決させる

「小1の壁」にぶち当たるときは、様々なことが絡み合っていることが多くあります。そのため、まずは何を優先すべきなのか順位をつけましょう。ポイントは完璧を求めすぎないことです

優先順位が高い事をやるために、活用できるサービスや便利ものを積極的に使う、家事を分担する、思い切ってやめてみるなど。

 

例えば、働く親にとって料理は大変だったりするので、ミールキットや冷凍食品、スーパーのお惣菜を活用するなど「たまには、これでいいや」と割り切って積極的に使ってみるのもおすすめです。

その他にも

  • 料理は早く帰った人が作る
  • お迎えはママの役割りと決めず曜日や決まった日はパパの当番にする
  • 子どもにもできるお風呂掃除や洗濯ものをたたむなどの家事を分担する
  • 毎日行っていた家事の頻度を見直す
  • お掃除ロボットに買い替える
  • 時にはプロの手を借りる

などなど。

ポイントはがんばりすぎないこと。時には手抜きをしても大丈夫、いつも頑張っているママやパパを子どもはしっかりとみているものです。

また、子どももチームの一員として頼りにされていることはううれしいものです。ただし、注意したいのは、子どもにも完璧を求めないことです。上手にできたかどうかという結果ではなく、やってくれたという行動に感謝を伝えることを忘れないようにしましょう。

 

(3)働き方を見直す

最近では、子育て支援など働きやすい環境づくりに取り組んでいる企業が増えていますが、いざ権利を使ってみると現実的には難しいことや、職場の雰囲気に悩むこともあるでしょう。

その場合は、思い切って転職をするか、パート社員など契約を切り替えるのも一手です。もちろん、これは最終手段ですが、フルタイムで仕事をしながら子育てもしやすいといった企業は存在します。

また、キャリアとしてその会社を退職したくないという場合は、時間短縮が可能かどうかや、一定期間のみパートタイムや嘱託社員になるなどの契約ができるものなのか確認をしてみましょう。将来的に制写真に戻れるようなら、思い切って一定期間の契約変更をしてみるのも一手です。

 

さいごに

私自身、娘が年長になったと同時に、仕事を続けるかどうか悩み始めました。というのも夫ともに身内が遠方に住んでいるので、いざという時に気軽に頼れる人がいなかったからです。

しかし、私の周りの先輩ママは皆フルタイムで仕事を続けている方がほとんどです。一体、どうやってやりくりしていたんだろうと実際に体験談などを聞きました。そして思ったことは、まずはやってみよう!仕事を辞めることはいつでもできる、「小1の壁」を心配して正社員を辞めてしまうよりも、しっかりと準備と対策をしておくことが大切だということ。

 

また、どんなことでも事前に準備や対策をしていても、思いがけないことが起きたりもするものです。

それでも、「小1の壁」は永遠に続くわけではありませんから、しっかりとベースをつくっておくことで、心構えもでき、その起きた問題だけに集中して対処ができます。

そのためにも、起きてもいないことに不安になって悩む前に、できる準備と対策をして「小1の壁」を乗り越えていきましょう。

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