「本が好きな子になってほしい」そんな思いから、毎日、絵本の読み聞かせをしているママやパパも、きっと多いですよね。
だけど、実際のところ
- 読み聞かせってどんな効果があるの?
- 本当に本が好きになる?
- いつから読み聞かせを始めたらいいの?
- 効果的な読み方ってある?
- 集中してきいてくれない
などという疑問や悩みがある方もいるのではないでしょうか。
絵本の読み聞かせには、「語彙力」「読解力」「想像力」などを高める効果が期待できます。また、ママやパパの愛情を感じることができ、よいコミュニケーションの時間にもなります。
この記事では、
- 「読み聞かせ」の効果
- 「読み聞かせ」をはじめるタイミングと期間
- 効果的な「読み聞かせ」の仕方
などについて、しっかりと紹介していきます。
この記事を読んだ後には、ただ何となくやっていた読み聞かせの効果がわかり、より効果的な「読み聞かせ」を意識してできるようになります。そして、読み聞かせ=子どもとのコミュニケーションの大切な時間として、ママやパパにとっても楽しみの時間となりますよ。
目次
1.「読み聞かせ」の5つの効果
まだ字が読めない小さなうちに、ママやパパが読んでくれる絵本は、初めて知る世界がたくさん詰まっています。
脳の発達が目覚ましいこの時期に、さまざまな絵本にふれることで、脳が刺激され、感情や感性を豊かにしてくれます。集中して聞いていないように感じても、ただ聞いているようにみえても、自分なりに物語の内容を理解して、さまざまと感じとり学んでいます。
ここでは、「読み聞かせ」の主な5つの効果について紹介していきます。
1-1 「語彙力」を伸ばす
読み聞かせをしてもらうことで、いろいろな初めての言葉にふれ、語彙力が増えていきます。まだ字が読めなくても読み聞かせを繰り返していくうちに、言葉をマネしはじめ、次第に自分の言葉にしていきます。
絵本の中では、普段の会話のよりも表現の幅が広く、擬音などもたくさん使われていたり、言葉の楽しさにも気づくことができます。そうしたなかで、子どもは様々な新しい言葉を自分のものにして言語力が伸びることにつながります。
そして、幼児期に語彙力が増えれば増えるほど、文章を理解する能力が早くなり向上しやすくなります。
さらに、語彙力のある人は、自分の気持ちを表現することに長けているので、相手の言葉の理解力もあります。そのため信頼関係を築きやすくなり、コミュニケーション能力も高まっていきます。
1-2 「読解力」が育つ
子どもが小さい頃から読み聞かせをすることで、本になじみ好きになることが多いようです。
さらに、文章にふれる機会が多ければ多いほど、文章にも慣れ、どんな本でも話の展開を理解しやすくなり、「読解力」がついていきます。
現代では、成長するにつれてスマホやPCなどに興味がシフトして、本を読まなくなることも多くなりますが、小さなうちに読み聞かせをすることで、本や文字に対しての抵抗がなくなり、本にも興味を持ってくれます。そのためには、成長にあわせて、いろんな本を読んであげることがポイントとなります。
1-3 「想像力」が育つ
絵本は、子どものペースで何度も読んだり前のページにも戻ったり、絵をじっくりとみることができ、想像力を膨らませることができます。また、読み手によってもストーリーが変化するとも言われていますので、ママが本を読む担当とせず、ママもパパも、時には他の大人から読んでもらったりするのもいいですね。
そうすることで、何通りも楽しみ方があるということを知り、子どもも次にどんな展開になるのかをその時々で想像し膨らませることができます。
絵本の読み聞かせは、たくさんの言葉やストーリーに出会い、子どもの「想像力」が豊かになっていきます。
少し話はずれますが、娘は、まだ文字が読めないはずの2歳の頃から、一人で絵本をみて、簡単なものなら、まるで字が読めているのではないかと錯覚するほど正確に私のマネをして読んだり、少し内容が難しいものや、しばらく読んでいなかったものなどは、絵をみながら自分でストーリーを作って読んでいます。
初めは、単純に「すごい!」とびっくりしました。これも記憶力と「想像力」が、しっかりとついているんですね。
1-3 「感情豊か」になる
たくさんの絵本にふれることで、情緒の発達に効果があり、感情豊かになっていきます。情緒を豊かすることは、コミュニケーション能力を身につけるうえでも大切なことです。
日常生活の中でも、いろんな感情を読み取れるようになり、「楽しい」「うれしい」ときの表現、「かなしい」ときは泣いているように見せるなど、自分でも自分の気持ちを表現するようになっていきます。
また、絵本の世界では、人だけでなく動物や花などにも命があり、やさしくしたり、大切するということを教えてくれるものが多くあります。感情が豊かになることで、お友だちや動物、ものを大切にやさしく接するという気持ちが育まれます。これがのちによい人間関係を築いていく力にもつながります。
1-4 「集中力」がつく
子どもの集中力は短く、年齢+1分だといわれています。ですから、年齢が低ければ低いほど、絵本を読んでいても最後まで読めないことも多くあります。
それでも、絵本の読み聞かせが習慣化してくると、成長とともに物語の内容に夢中になり、最後まで集中して聞いてくれるようになります。
私の娘も2歳までは、読んでいる途中でも次々とページをめくったり、最後のページまで読ませてくれないこともありました。それが、ちょうど3歳になった頃から集中して最後まで聞くようになりました。それまでの「絵本をみる」から「ストーリーを楽しんでいる」に変化したのを感じます。
1-5 親子のコミュニケーションがとれる
子どもは、ママやパパの声が大好きです!
大好きな声で絵本を読んでもらえる時間は、安心できる心地よい時間です。子どもはママやパパの愛情を感じることができて、自己肯定感も育まれます。
また、絵本の読み聞かせをしている間は、膝に抱っこしたり、ぴったりくっついたり、スキンシップすることになります。スキンシップは、イヤイヤ期の記事でも紹介しましたが、幸せホルモンとよばれる「オキシトシン」が分泌されるのだそうですよ。
忙しいママやパパにとっても子どもとのコミュニケーションがとれ、親子の親密感が高まり、幸せホルモンまで分泌される癒しの時間となります。5分でも10分でも短い時間でよいので、読み聞かせは習慣的に行いたいですね。
2.「読み聞かせ」は0歳からはじめてOK!
読み聞かせの時期については諸説ありますが、0歳の赤ちゃんでも効果があります。
言葉の意味がわからなくても、初めて見る色彩や絵に赤ちゃんの脳が刺激され、感情や感性が豊かになっていきます。また、大好きなママやパパの声で安心感をおぼえ、コミュニケーションの時間になります。
もちろん、0歳からはじめなくてはならないというものではありません。
いつから始めたらいいという正解も、早すぎることも遅すぎるということもありません。そのときどきによって得られるものが変わるのも読み聞かせのメリットですので、ママやパパが「やってみよう!」と思ったときから始めればいいのです。
3.「読み聞かせ」卒業の目安は一人読みを始めたあと
「読み聞かせ」を卒業するタイミングは、一人読みができるようになったらというのが一つの目安です。
ただし、一人読みができるようになったからといって、卒業しなくてはならない訳ではありません。読み聞かせには多くの効果が期待できますし、親子でのコミュニケーションが密にとれる時間でもありますので、子どもが卒業したいという意思をみせるようになるまでは、続けることをおすすめします。
4.効果的な「読み聞かせ」の重要ポイントは1つ!
読み聞かせ方にも、諸説ありますが、重要なポイントはただ1つ、ママやパパが「絵本の内容を勝手に決めつけない」ということです。絵本を読んでどう感じるかは人それぞれですので、子ども独特の相続力と解釈を大切にしたいところです。
ここでは効果的な読み聞かせ方のコツを詳しく紹介します。
4-1 オーバーな抑揚や声の変化はつけず淡々と読む
臨場感あふれる抑揚をつけ、キャラクターごとに声をかける、これは多くのママやパパが一番やってしまっていることではないでしょうか。そういう私も、まさにやってしまっていました。絵本を楽しんでもらおうとする気持ちと、自分もそうしてもらっていたことから、ごく自然に。ところが、これは子どもの想像力の妨げになってしまっていたのです。
子どもは、読み聞かせをしてもらっている間、ママやパパが思っているよりも、ずっと想像力が働いています。どんなお話しなのかとワクワクして聞いています。
それが、オーバーな抑揚やキャラクターごとに声を変えてしまうと、「このお話はこうだよ」とママやパパが絵本の内容を決めてしまっているのと同じことなのです。
ポイント
- 抑揚は控えめに淡々と読む
- キャラクターごとに声を変えない
- 間を取るうまく取る
控えめな抑揚でもページをめくるときや物語のシーンごとに間をとるだけで「次はどうなるの!?」と、子どもはワクワク想像を膨らませ引き込まれます。
4-2 アドリブやアレンジをせず、ゆっくり・はっきりと読む
これも先ほどと同じです。子ども自身の発想力で絵本を楽しむためには、アドリブなど入れずに絵本のとおりに読みましょう。
また、ついつい早口になってしまう方もいますが、子どもは内容を理解するのに時間がかかりますので、ゆっくり、はっきりと読むことを意識しましょう。
ゆっくり読むポイント
- 句読点や文字の切れ目で一呼吸おく
- 接続詞を意識する(区切る)
4-3 子どもの反応にこたえる
子どもはよく読み聞かせをしているときに
「どうして?」
「これは何?」
「ちょっと待って、さっきあったよ」
「こうなるんだよ」
などと話したり、前のページに戻ったりします。
そんな時には、「最後まで読んでからね」というのではなく、中断して「そうだね」と共感したり、その時々できちんと応えましょう。
ただし、「これはどうなるの?」や「ママはどう思う?」などの問いには、「どう思う?」と子どもの意見を聞くようにします。間違っても「そうね、ママは○○○だと思うわ」と内容を決めつけないようにします。
また、子どもが「〇〇だと思う!」と物語に書いていない内容を想像で話している場合にも明確に否定も肯定もしないようにします。
つまりは、「絵本の内容を勝手に決めつけない」ようにするのがポイントの軸です。
4-4 毎日の習慣にする
絵本を読む時間は、それぞれの家庭の生活のリズムにあわせていつでも大丈夫です。ポイントは、朝起きたら、夕食の後、夜の寝る前になど、習慣化することです。
それにより、本が好きになるきっかけになるほか、将来的に学習習慣を身につける効果にもつながります。
さいごに
いかがでしたか?
何気なくやっていた読み聞かせに、こんなにも効果があるとわかって、ママやパパもうれしいですよね。
また、ママやパパが子どもに読み聞かせをしてあげられる時期は、限られた時間でもあるので大切にしたいものです。
私も娘が「本が好きになってくれたらいいな」という漠然とした思いから、0歳に絵本の読み聞かせをはじめました。3歳になった今は寝る前の習慣となっていて、成長とともに絵本の楽しみ方が変わってきているのを感じます。
そして、なにより、仕事をしている私には、娘とゆっくりコミュニケーションがとれる貴重な時間でもあります。
子どもにとってたくさんの効果が期待できる「読み聞かせ」は、パパやママにとっても貴重で様々な発見ができる機会でもあります。
心や脳の発達が目覚ましいこの時期に、できる限り、たくさんの「読み聞かせ」をしてあげたいですね。