日本伝統のあそびの一つ、折り紙には、いろんな知育効果があるというけど、具体的にどんな効果があるか知りたいと思いますよね。
1枚の四角い紙が色んな形になっていく折り紙は、手先や頭を使うことから運動神経や脳が活性化し、子どものさまざま力を育む効果があります。そんな折り紙を日常のあそびとして大いに取り入れたいものです。
この記事では、
- 折り紙で育まれる力とは
- 折り紙が苦手な子が楽しめるコツ
- 親(大人)の関わり方や進め方
- おすすめの本
などを紹介していきます。
最後まで読んでいただければ、折り紙から得られる知育効果がわかることはもちろん、より効果的な関わり方を知ることができます。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
目次
1.折り紙あそびで得られる知育効果はこんなにたくさんある!
折り紙は、1枚の四角い紙から様々なカタチに仕上げることができます。完成までに複数の工程があり、手先を動かして、たくさんの脳機能を使うので、運動神経や脳の発達によい影響を与えます。
ここでは具体的にどんな知育効果があるのか代表的な効果例をあげてみます。
折り紙あそびで得られる知育効果一例
- 脳が活性化する
- 手先が器用になる
- 空間認識能力が養われる
- 非認知能力の向上
- 色彩感覚を養われる
- 集中力が高まる
- 創造力・想像力がふくらむ
手先の器用さを養う
折り紙の完成度をあげるためには、折り紙の端と端、角と角をきちんと重ねあわせることがポイントとります。小さなうちは、この端と端、角と角をあわせるということだけでも、とても難しいことです。
また、折り目をキレイにつけることも初めは難しい作業となりますが、回数を重ねるごとに少しずつ上達してきます。この細かな作業で指先をたくさん使うことにより、自然と手指を使うトレーニングとつながり、器用さが養われていきます。
脳が活性化する
手先をたくさん使うことで脳への刺激となります。加えて、どのように折れば図のとおりになるのかを考えることでも脳は活性化されていきます。また、情報をインプットしてアウトプットするワーキングメモリーを鍛えることにもなり、これがうまくできると折り図をみなくても一人で完成させることできるようになります。
空間認識能力が養われる
空間認識能力とは、物体のカタチ・大きさ・向き・姿勢・場所・目に見えている部分と見えない部分などの位置関係を認知する力をいいます。折り図をみて、どう折ればそのカタチになるのか平面から立体になる想像できるようになります。
この能力が高いと位置関係などを把握することに長けるので絵がうまく描けたり、距離感なども感覚的にはかれることからスポーツが得意になるなどのメリットにつながります。
非認知能力を高める
折り紙が完成したときに「できた!」という達成感が脳によい刺激をあたえ自信に変わります。これが自己肯定感のアップにつながるのです。
簡単なものなら短時間で何度でも達成感が味わえ、難しい折り紙を完成させる後には格別な達成感を感じられ、折り紙は自己肯定感を育むのにぴったりのあそびの一つといえます。
ここで「自己肯定感」というものが何なのかよくわからない方は、「自己肯定感とは?低いとどうなる?原因と影響、高めるポイント7つ」の記事を参考にしてみてください。
色彩感覚を養われる
折り紙には様々な色があります。同じ色での濃淡や色味が異なれば、できあがりの印象も変わってきます。その違いに気づいたり、完成イメージを膨らませて色を選んだりと、あそんでいくうちに色彩感覚が養われていきます。
集中力・忍耐力が養われる
細かな作業の繰り返しで集中して作業する力がついていきます。
ただ、工程数が多く難しい折り方になりわからなくなると途中で投げ出したくなることもあります(大人でもあります!)。特に幼いうちは、自分が思うように折ることができないだけでもイヤになってしまいますので、できなかたところが出来たら「前にできなかったところが折れるようになったね」など具体的にできたことを褒めたり、励ましたりしながら完成させていきましょう。そうすることで忍耐力も養われていきます。
創造力・想像力が伸びる
折り図を見ながら折っていくのは、大人でも難しいことがありますから、子どもにとっては、より大変な作業なはずです。
こんな風に折ったらどんな形になるのか、考えながら折ることで想像力が伸びていきます。慣れてくれば、だんだん難しい折り方も、どう折ればその図と同じになるかも理解できるようになってきます。また、自由な発想で遊べるようにもなるため創造力も育まれます。
2.折り紙で知育効果を発揮するポイントは2つ、親も一緒に楽しもう
たくさんの知育効果がある折り紙ですが、より効果的にするためにはママやパパなどの大人との関わり合いが大切となります。そのポイントはたった2つだけです。
- 親も一緒に楽しむ
- 手出しせず見守る
折り紙あそびで知育効果を発揮するためには、褒めることよりも何よりも、まずはママやパパなど大人が一緒に楽しむことです。
同じものを折ってもいいですし、パーツごとに協力して一つのものを完成させるのでもいいですし、楽しそうなママやパパの姿をみると子どもは、ますます興味を持ちますし、熱中していきます。
また、子育ての基本「手を出しすぎない」こと。初めはうまくできなことの連続ですから、うまくできずに投げやりになったり、見ていてもどかしくなったりすると、ついつい手出ししたくなりますが、そこはグッと我慢です。
まずは見守り、「手伝って」と言われたり、「もうヤダ」と投げ出しそうになったら、「ここまでできたね、そしたらココにあわせるといいよ」「ここは一緒にやってみようか」など、あくまでも子どもが一人ではできない箇所のみサポートしながら、やる気を削がないようにします。
そのうえで次に、難しい折ができるようになったら「一人でできたね」「ここがさっきより上手にできたね」などと、具体的にほめたり完成したことを一緒によろこんで盛りあげてください。
こうしたやり取りが折り紙あそびでの知育効果を高めていきます。
一緒にできないときのために本を揃えておく
親子で一緒に楽しむことで知育効果があがることはわかりましたが、そうは言っても忙しくて一緒にできないこともあります。そんな時のためにも、折り紙の本をいくつか用意しておくことをおすすめします。最近では100円ショップでも折り紙の本が買えますし、たくさんの本が出版されています。
第4章でおすすめの本を紹介していますので、参考にしてみてくださいね。初めから一人で折るのは難しくても慣れてくると一人で図解を見ながら完成させるのが楽しくなります。
3.折り紙が苦手な子が楽しくなるコツはハードルを下げる
折り紙が好きな子もいれば、苦手な子や、嫌いという子もいます。これは大人でも同じですよね。それでも、たくさんの知育効果がある折り紙ですから、できれば楽しんであそんでほしいものです。
そこで、ここでは折り紙が苦手な子が「楽しい!」と思ってくれるコツを紹介します。
具体的な例としては、
- 丸めてあそぶ
- 2回で完成する折り紙から始める
- 折り方ガイドの書いてある折り紙を使う
- 工作ワークなどを活用する
などなど、折って完成させることを目指さないこと。
まずはなんといっても苦手意識をなくすことです。そのために折り紙あそびのハードルをさげて「できた!」という達成感や、折り紙を使ってあそぶことの楽しさを知ることから始めます。
たとえば、折り紙を折るのではなく丸める。いろんな色の折り紙を丸めて集めてみたてあそびをしたり、ボールにしてみたり、そこにひと手間かんたんな工作をして季節のフルーツや野菜などに変化させてみたり意外と無限にあります。
また、1回や2回折るだけで完成するもの。たとえば、三角を少しずらして折って、羽や目、くちばしなどを描けば鳥になります。
また、長方形にずらして折りを、白い部分にタイヤを書き込んでバスの完成など、折り紙だけでなくクレヨンなどで書き加えることで完成させるものなら、バリエーションもさまざまとできます。
最近では、100円ショップにも折り線ガイドのついた折り紙が販売されていますし、本が折り紙になっているもやワークブックなどありますので、手始めに使ってみるのもおすすめです。
ここで折り紙が苦手だった私の娘が実際に使ってよかったものを一つ紹介します。
【おすすめの一冊】
折り紙というよりもタイトルどおり「切り紙」です。
娘は折り紙は苦手でしたが、工作は小さい頃から大好きでした。そこで折り紙が好きになってくれそうなよいものはないかと本屋さんで探していた時に出会いました。
切り紙といっても、まずは折るという作業があります。折り紙が苦手な娘は、きれいに折れずにイライラしたり、つまずきもあったのですが、折り方次第で色んなカタチが出来上がっるのが楽しいようで、一人で黙々と楽しんでいます(サポートが必要なこともありますが基本は一人でできるので忙しい時には助かっています)。そして、この切り紙をきっかけに折り紙でも遊ぶようになりました。
4.折り紙が楽しくなる、おすすめの本6選
知育効果もバッチリの折り紙ですが、折り方忘れてしまったり、大人でも苦手だという方もいるでしょう。
また、折れるバリエーションが増えてくると、楽しくなり、「もっと色々折ってみたい!」と一人でも難しいものにどんどんチャレンジしたくなるので、折り図の本をいくつか揃えておくことをおすすめします。
ここでは数多くある折り紙の本のなかから、おすすめの5冊を厳選して紹介します。
幼児や初めての折り紙あそびにおすすめの簡単に折れる本から、折り紙好きも満足できるおすすめの本まで紹介しています。ちなみに、上から順に簡単なもの→レベルアップで紹介していますが、どの本もママやパパと一緒なら幼児からチャレンジできるものも収録されています。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
<1>1日10分ひとりでおれるおりがみ【折り紙が苦手&お出かけに便利】
本のページが切り離して使えるが折り紙になっています。山折り谷折りのガイドがついているほか、同じ動物の絵をあわせていくと完成するというもの。なかにはぬりえ折り紙などバリエーションもあり、塗り絵やお絵描きは好きという子におすすめです。イラストもかわいくて簡単にできあがります。この一冊を持っていればどこでも簡単にできるので、お出かけにも便利です。
<2>5回おったらできあがり!!はじめてのおりがみ【幼児&初めての折り紙あそびにおすすめ】
タイトル通り5回折ったら簡単に完成するものばかりなので、初めて折り紙あそびをする幼児向けとしておすすめです。ただし完成させるためには、イラストを書き込むことが前提のものが多いのでサインペンやクレヨンなどが必要になります。
<3>やさしいおりがみ オールカラーの折り図でスラスラ折れる!【初心者向き&折り紙に少しなれてきたら】
見開き1ページで完成する作品が多く、ひらがな表記で子ども一人でも折れる工夫がされています。難易度の簡単なものから少し複雑なものまでさまざまと掲載されています。
鶴など昔からある基本の作品から、出来上がった作品で遊べるものなど、写真つきの折り図でわかりやすくまとめられています。
<4>大人気!!親子で遊べる5-7才のたのしい!!おりがみ
おりがみ作品が100点掲載された本です。折り紙に慣れてきてステップアップしたものを作りたいときにおすすめです。写真の折り図で立体的でわかりやすく、作品での遊び方やコラムなども書かれています。
5~7才とありますが、大人でも楽しみながら折ることができる充実した内容です。
<5>かんたん・かわいい・楽しい!決定版 おりがみ大図鑑
かわいい動物や季節のもの、食べものなど本当にかわいい作品がたくさん掲載されています。折り図も写真なのでわかりやすく、難しい箇所は拡大図もあるので、わかりやすいです。
動物や車、ようかいなど、シリーズで折りあげて遊んだり作品として完成させるのもおすすめです。
<6>るるぶ 楽しく折って親子で世界一周!旅のおりがみ100
旅の本でおなじみの「るるぶ」らしい折り紙の本です。日本や世界各地の食べものや物、ゆかりのものなど他の本にはない切り口と折り紙を折ることができます。
幼児から折れる簡単なものから小学生、大人でも夢中になれるものまであります。また、折りながら日本各地や世界各地の特産など勉強にもなるのもうれしいポイントです。
さいごに
いかがでしたか。
以外にも多くの知育効果があると思いますよね。しかもここで紹介したものは、その一部ですから積極的に活用したいですよね。
その知育効果をより発揮させるポイントは、大人も一緒になって折り紙遊びを楽しむことです。
そうした姿をみることで興味を持ち「楽しい!」と思うようになり、さらには「もっといろいろ折ってみたい!」と一人でもどんどんチャレンジしていくようになっていくのです(もちろん、興味の強弱は個人差がありますが)。
お天気の悪い日でも関係なくいつでも楽しめる折り紙は、おでかけの時のおもちゃの一つとして持ち歩くのもおすすめです。