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モンテッソーリ教育とは?6歳までが最重要時期!具体的アプローチも【徹底解説】

モンテッソーリって「頭がよい子に育ちそうなイメージだけど、具体的にどんな教育なの?」「何となくしかわかってないけど、今さら聞くのは恥ずかしい」と思っていませんか。

「モンテッソーリ教育」は、1907年にイタリア初の女性医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリ博士によって考案されたメソッドです。

「責任感と他人への思いやりをもった自立した人間、そして、生涯を通じて学び続ける姿勢をもった人間を育てる」ことを目的としています

 

日本には1912年に日刊新聞『萬朝報(よろずちょうほう)』よって紹介され、その後、1965年に上智大学教授ペトロ・ハイドリッヒ氏によって、国内初のモンテッソーリ教育の保育園『うめだ「子どもの家」』が設立されました。

 

最近では、将棋のプロ棋士・藤井聡太さんが子どもの頃に取り入れていた教育法としても大きく注目を浴び、再び「モンテッソーリ教育」という言葉は一気に広まりましたが、実際にどんな教育法なのかわからないという方も、実は多いのではないでしょうか。

 

私も「モンテッソーリ教育」には興味があったけど、きちんと勉強をしたのは、娘が3歳を過ぎてからですから、つい最近のことです。そして知れば知るほど「もっと早くきちんと知りたかったー!!」とも思いました。

 

私のように「わー、早く知りたかった」ということにならないよう、「な~んとなくは知っているし、興味はあるけど・・・」というママとパパのために、まとめていきますね。

(ちなみに、早く知らなかったからダメなんてことはありません。気づいた、今からでも、幼児期を過ぎていても、いつでも始められます。)

 

この記事では「モンテッソーリ教育」について、

  • 生まれた背景と育まれる力
  • 「幼児期」が重要時期といわれる訳
  • 発達にあわせた具体的アプーチ
  • よくある質問

などについて、しっかりとわかりやすく紹介していきます。

 

この記事を読んでいただければ「モンテッソーリ教育」とはどんな教育法なの知ることができ、さらに、普段の子育ての考え方のヒントにもなりますよ。

 

そして、この記事は、しっかりと伝えていきたいので、かなりボリュームがあります。

「モンテソーリ教育」の実践のベースとなりますので、おすすめは全文を読んでいただくことですが、実践的な基礎のみを知りたい方や、興味のあるところだけを読んでいただいてもOKです。

目次

1100年以上指示される「モンテッソーリ教育」とは

具体的な内容に入る前に、それぞれの理解をより深めるためにも「モンテッソーリ教育」の生まれた背景や、その考え方についても触れておきます。

「モンテッソーリ教育」が生まれた背景

「モンテッソーリ教育」は、1907年にイタリア初の女性医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士によって考案されたメソッドです。

 

モンテッソーリ博士は、1800年代後半にイタリアで初の女性医師となりました。
そして、ローマ大学付属精神科病院で、精神的な知的障害をもつ子どもたちを担当します。

 

ある日、床に落ちたパンくずを熱心に集める子どもをみて、その様子をしばらく観察していると、パンくずをつまみあげているのは、食べるためではなく指先で感触を楽しんでいるということに気づくのです。

 

そして、この子たちに必要なものは薬ではなく教育であると考え、『はめこみ円柱』の教具を考案しました。それを子どもたちに渡して観察を続けると、この円柱で遊んでいた子どもの知的水準が高まったのです。

 

その後もモンテッソーリ博士は、教育法や心理学、人類学などを学びながら、子どもたちを客観的、科学的に時間をかけて観察して、どんなものに夢中になり、どんな風に学んでいるかを理解していきます。

そのうえで、試行錯誤を繰りかえしながらさまざまな教具をつくり、子どもの学びをサポートする教育方法をつくりあげていきました。

その結果、中学卒業の試験をうけた精神的な知的障害をもつ子どもたちの多くが、障害を持たない子どもたちよりも高い得点を獲得することができ、モンテッソーリ博士は奇跡の教育者と賞賛されたのです。

 

その後、ローマのスラム街で共働き家庭の子どもを受け入れる施設の運営を任され、この教育法をイタリアの教育システムの中で実施することとなりました。

これが1907年に開校した初めての「Casa dei Bambini(カーザ・デイ・バンビーニ)」いわゆる日本でも有名な「子どもの家」です。

 

やがて「モンテッソーリ教育」は、ほかの国にも注目され、欧米を中心に世界中に広まりました。

そして、モンテッソーリスクールは、100年以上経つ現在でも世界140以上の国で存在し、約2万校あるといわれています。特にブームとなったアメリカでは4,500か所以上あるということです。

 

モンテッソーリ博士は、世界中を周って教育に携わり、教育法の指導を発展させながら、亡くなる1952年までその活動を続けました。

そして、モンテッソーリ博士は自分の仕事は、「暮らしの教育法」だと語っています。つまり、モンテッソーリはスクールの中だけでなく、日々の暮らしのための育だといえます。

「モンテッソーリ教育」で育む5つの力

「モンテッソーリ教育」は、それぞれの子どもの発達段階にあわせて、「責任感と他人への思いやりをもった自立した人間、そして、生涯を通じて学び続ける姿勢をもった人間を育てる」ことを目的としています。

 

そのために、カリキュラムにしばるのではなく、子どもの中にある「学びたい「やってみたい」という自然な欲求から、以下の5つの力を育みます。

  1. よく考えて行動する力
  2. 他人を思いやる気持ち
  3. すべきことを導く力
  4. 深い集中力
  5. 信頼感と自己肯定感を高める

それぞれどんな力なのかをみていきます。

1.よく考えて行動する力

子どもが何かに夢中になって取り組んでいるときは、その意思を尊重して自由に行わせます。

もちろん、大人からの指示は一切ありません。子どもが自ら準備から片づけまで行います。

例え、間違ったときでも、なぜそうなったのかを自分で考え、最後までやりとげます。

このような経験をすることで、よく考える力、実行に移す力を身につけていきます。

2.他人を思いやる力

自分のやりたいことを存分にやりきっている子どもは、心が満たされ穏やかな気持ちになります。

常にこのような状態を積み重ねることで、他の人にもやさしくできるようになります。例えば、友だちに好きなものでも分けてあげたり、ものを貸してあげたりするなど。

このような思いやりの気持ちは、自分が尊重されていると満足できているからこそ育つ力です。

3.すべきことを導く力

何をするかは子ども本人が決めます

常に大人の指示ではなく、何がしたいのか」を自分で決めるため自分の気持ちがわかるようになります。さらに、何をしてはいけないかが理解できるようになると「自立心」が育まれるため、さまざまな場面で冷静に振る舞うことができるようになります。

4.深い集中力

自ら好きなことをしているときには、まわりが騒がしくても集中して続けることができます

そして、その夢中になれることを満足できるまでできることで、集中力はさらに深まります。

こうした経験を通じて、集中して物事に取り組む楽しさを育んでいきます。

5.信頼感と自己肯定感を高める

「モンテッソーリ教育」では、一人ひとりの考えを尊重します。

遊び方なども自分がきめて心ゆくまでやりきるので、子どもは自分の考えや存在を受け入れられたという安心感を覚えます。また、自分のことを理解してくれる大人の存在は、自己肯定感を高めることにつながります。

 

これら、5つの力が育むことで、「責任感と他人への思いやりをもった自立した人間、そして、生涯を通じて学び続ける姿勢をもった人間を育てる」ことにつながるということです。

世界で活躍する「モンテッソーリ教育」出身の著名人

日本に比べて「モンテッソーリ教育」の認知度の高い海外をみてみると、さまざまなジャンルで世界をリードする人たちが、幼少期に「モンテッソーリ教育」を受けていたことが知られています。

一例をあげると

  • マイクロソフト創業者 ビルゲイツ
  • Google創業者 セルゲイ・ブリン、ラリー・ペイジ
  • Facebook創業者 マーク・ザッカーバーグ
  • Amazon創業者 ジミー・ウェールズ
  • アメリカ元大統領 バラク・オバマ
  • アンネの日記著者 アンネ・フランク
  • 俳優 ジョージ・クルーニー
  • 歌手 ビヨンセ
  • ヘレン・ケラー

など、そうそうたる顔ぶれですよね。

なかでも、Google創業者のセルゲイ・ブリンと、ラリー・ペイジは、Google成功の秘訣について「モンテッソーリ教育が根底にある」と語っています

私は、この話やモンテッソーリ教育で育った著名人を知った時に、我が子をここまで著名な方々と並べたいとは思わないにしても、今後、大きく変わっていく時代を生きる子どもの可能性を広げてあげる一助になるかもと思いました。

そして、ますます「モンテッソーリ教育」に興味が沸きました。

日本と海外の「モンテッソーリ教育」の違い

日本では、わずか14歳でプロ棋士となった藤井聡太さんも有名ですが、海外の「モンテッソーリ教育」と違いはあるのでしょうか。

「モンテッソーリ教育」が日本に紹介されたのは1917ですが、そのときの時代背景により、実際に脚光をあびて広まっていったのは1960代のことです。

また、日本では、幼稚園や保育園で取り入れる施設が増えていったことや、公立の小学校からの義務教育課程に含まれていないことがあることから幼児教育のイメージが強くありますが、けっしてそうではありません。

4,500か所もの『子どもの家』があるアメリカでは、幼稚園から大学までプログラムが導入されています。

これは、モンテッソーリ教育の考え方では、人間として完成するのは24歳頃としていることからです。この内容は、『モンテッソーリ教育の「発達の4段階」、知れば育児が変わる!』で紹介していきますので、興味のある方はあわせて読んでみてください。

それでは、次からは、いよいよ「モンテッソーリ教育」の具体的な内容をみていきましょう。

2.「モンテッソーリ教育」の3つの要素

「モンテッソーリ―教育」では以下3つの要素が結びついていると考えます。

  1. 子ども
  2. 大人
  3. 環境・教具

何を学ぶかを決めるのは子ども、それを大人と環境がサポートします。

大人は子どもを観察し、子どもの自発的な学びをサポートするという立場です。モンテッソーリの基本は観察、つまりは見守ることです。

観察していると、子どもがどういう状態にあるのかがわかるようになります。

脳の発達を促す手指を使うおもちゃ=「教具」と「おしごと」

「モンテッソーリ教育」では、子どもの遊びに使うおもちゃを「教具(きょうぐ)」とよびます。

「教具」は教える道具と書きます。

つまり、その教具を使うことで、そのときに必要なことを、遊びながら学んでいきます

 

また、さまざまな「教具」に共通することが手指を使うということです。

「モンテッソーリ教育」で、最も大切とされているのが、脳の発達を促す手指を使う作業です。

音を聞いたり、見るだけでも情報は伝わりますが、手を動かすことで自発的に学ぶことができ脳はより深く理解することができます。

モンテッソーリ博士は「子どもの知能は、手を使わなくてもある程度の成長はする。しかし手を使えば、もっと高いレベルまで伸ばすことができるし、子どもの個性もより強くなる」といっています。

 

また、「モンテッソーリ教育」では、教具を使った遊び=活動を「おしごと」といいます。

「おしごと」では、その活動によって、ひとつだけスキルを身につけます。

例えば、円柱に輪をはめるという「おしごと」なら、円柱に輪をはめるというスキルだけです。

この「おしごと」は、みんなで同じことをするのではなく、一人ひとりがその時にあったレベルのものから自ら選んで行います。

やってみたい!を引き出す工夫された環境

子どもが自発的に「おしごと」をするためには工夫がされた以下のような環境が必要だとされています。

  • いつでも手に取れる収納
  • 集中して取り組める場所
  • 子どもがひとりで使える道具

机・椅子・棚・ハサミなどの道具などすべてを子どもサイズにし、子ども目線にあわせて準備をします。そして、そのときにあったレベルの活動を用意します。

そのときにあったレベルとは、「まだ完全にはできないけど、嫌になって投げ出さない」程度のものです。

大人は静かに見守ることが、こどもの意欲を引き出す

「モンテッソーリ教育」の中で、大人は子どもの自発的な学びをサポートするという立場です。

子どもが集中しているときに声をかけずに見守り、環境を整えることに集中します。

 

私がよくやっていた失敗例は、娘がクレヨンで遊んでいるときに「上手だね」「何書いてるの?」などと声をかけてしまっていまいした。

しかし、娘は、クレヨンと紙の感覚を楽しんでいるだけだったかもしれませんし、ただ色が重なるのが楽しかっただけかもしれません。

それを途中で「何書いているの?」といわれると、何を書いているのかを無理に考えなくてはいけなくなりますし、せっかくの集中が途切れてしまっていました。

このような失敗をしないためにも、子どもが集中しているときには、満足げにやりきるまで、そっと見守りましょう。(これが結構むずかしくて、ついつい声を掛けそうになります。ママも慣れるまでがんばりましょう!)

大人はあくまでも「やってみたい!」の意欲を引き出す環境を整えることに集中することです。

3. 成長のカギとなる「敏感期」とは興味あることを繰り返す限定時期

 

ここでは「モンテッソーリ教育」を知るうえで重要な「敏感期」について解説します。

「敏感期」とは、子どもが強く興味をもち、同じことを繰り返す限定された時期のことで

小さい子どもを育てているママやパパなら、きっと日々の生活の中でもいくつも心あたりがあるのではないでしょうか。
それが大切な成長のカギ、「敏感期」となります。

そこから、いまは何に興味をもち、どんな成長をしようとしているかを観察することで、知るきっかけを掴んでいきます。
「敏感期」には、始まりがあり、終わりがありますので、その特定の時期を逃さないようにしたいですね。

「敏感期」には、子どもはその「おしごと」に集中し続け、自分が納得いくまでやりきると、すっとその活動をやめ、達成感に満ちた表情をします。

また、「敏感期」はすべての子どもに訪れますが、一人ひとりで表れ方に個人差があります。
大切なのは、その子が日々のなかで何に興味をしめしているのかをよく観察し、それに対しての環境を用意すること。けっして、押しつけたりせず、あくまでも子どもの意思を尊重することが大切なポイントです。

4.最も大切な時期は6歳まで!カギとなる6つの「敏感期」と具体的アプローチ

「モンテッソーリ教育」が成長段階で最も重要な時期としているのが06歳に集中して訪れる敏感期です。

子どもは生まれてから6歳までの間に、ありとあらゆる情報を吸収します。

特に、3歳までは無意識のうちに、苦労をすることもなくどんどん情報を取り込み、3歳からは知性が芽生え意識的に学んでいきます

この時期のベースとなるのは、自分でみたことが一番身につきやすくなりますまた、個性が固まる段階でもあり、この時期の体験が大人になってから大きな意味を持ちます

この時期に訪れる敏感期は、大きく分けると以下の6つがあります。

  1. 感覚の敏感期
  2. 運動の敏感期
  3. 言語の敏感期
  4. 数の敏感期
  5. 秩序の敏感期
  6. 文化の敏感期

それぞれどのような時期なのか、また、心がけたいアプローチについて具体的にみていきます。

(1)五感が完成する「感覚の敏感期」

視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の五感が完成し敏感になる時期です。

音に敏感になったり、食べ物の好き嫌いがはじまったり、さまざまなものに触れて楽しんだり、五感が洗練される時期が次から次へと訪れます。

また、この時期は感覚がより鋭敏になると芸術性が磨かれます。

<心がけたいアプローチ>
バーチャルではなく本物や実物に触れたり、身体で感じる体験をたくさんさせましょう。

五感別の具体的な遊びの一例を紹介します。

視覚

目からはすべての感覚情報7割が入ってくるといわれています

視覚大きさや長さ、重さなどを比較する

散歩道に落ちている石や木の枝などで「こっちは長いね」「こっちは短いね」など、並べたりして比較して遊びます。

歩いてお散歩できない頃なら、おうちの中で大小なるべく違いのあるボールなどでやるのもいいですね。

色で遊ぶ

いろんな色の折り紙を半分ずつにきって、一枚は家のどこか、もう一枚は手元に置いておき同じ色を探してくるという遊びです。

まだ歩けない年齢なら、3色くらいで「同じ色はどれ」と色あわせをします。年齢などにあわせて、どんどん色を増やしたり同色の濃淡など混ぜていきます。

聴覚

大人の数倍敏感で絶対音感は2~6歳にしか身につかないといわれています。

音クイズ

ピアノで同じ音の高い低いを聞いてみたり、ドレミソラシドの音クイズで遊びます。

静寂遊び

一定時間(1分くらい)目をつぶって黙ったまま過ごします。(これはかなりのハードルです。なかなかじっとしていられません)
時間がきたら目をあけて「どんな音が聞こえた?」と教えあう遊びです。

触覚

1歳前後は、口が一番敏感なので、なんでも口の中に入れてみます
3歳に近づいていくと触覚が発達してくるので口に入れることはなくなります。

お散歩中に石の形や触感の違いを探し「これはツルツルしてるね」「これはザラザラだね」などいろんな触感を楽しんでみましょう。
おうちの中でも「ここの壁はザラザラだね」「この扉はツルツルだね」などと触感を探す遊びができます。

ねんどを使った遊びや、のりを使った遊びもおすすめです

嗅覚

散歩中に見つけた花の香りをかいだり、フルーツなどの香りをかいだりして「これあまり香りがするね」など会話を楽しみます。

遊びではなく注意することとしては、柔軟剤は大人にはいい香りでやすらぎますが、子どもには強すぎることがあります。無香料を使うか、使う量に注意しましょう。

味覚

甘味・苦味・酸味・塩味・うま味を育てるこの時期は、自宅での食事内容がとても大切になります。

食事をしながら「この芋甘いね~」「これは酸っぱいね」など会話しながら、さまざまなものを食べる楽しみを伝えます。

(2))身体の動かし方を学ぶ「運動の敏感期」

身体を思うように動かす訓練をする時期です。

生まれてから手足をバタバタするだけだったのが、寝返りやハイハイをして、歩くようになります。さらには、一見いたずらのように思えるような、引っ張り出すなどの動作を繰り返すことで、身体の動かし方を学んでいきます。

<心がけたいアプローチ>

0~3歳:歩く・走る・ジャンプする・持つなどの身体全体を使った動きを学ぶ

人間は歩くことで体幹が鍛えられ、その後の運動機能にも関わってくるので、3歳まではたくさん歩かせましょう

例えば、お散歩のときにもベビーカーから降りて少しでも歩いてみる、広場で思いのままに自由に歩かせるなど。

36歳:指先を使った細かな動きを覚え道具が使えるようになる

手指を使った細かな作業もできるようになり、大人と同じことをするのが好きになりますので、3歳以降は、簡単にできる家事やお手伝いをしてもらいましょう。

例えば、食事のスプーンや箸を家族分並べてもらう、レタスをちぎってもらう、コップに飲み物を注ぐ、窓を拭くなど。

運動の敏感期に身体や手指を自由に思いきり動かせないと、さまざまなことが面倒になり、楽をすることを考えるようになるともいわれていますので、身体を動かす楽しさをたくさん体感させましょう。

(3)会話ができるようになる「言語の敏感期」

言語の敏感期は、ママのお腹の中にいる7か月頃から始まっていると言われています。

また、2歳から5歳頃までに話し言葉の敏感期が訪れ、徐々に会話でのコミュニケーションがとれるようになります。
3歳半を過ぎた頃から5歳半くらいまでは文字に対する敏感期が訪れます。

「これ何?」「なんで?」という言葉は一つのサインです。

<心がけたいアプローチ>
聞いた単語を覚えるだけではなく、声のトーンや口調なども学んでいきます。
  • ゆっくり、たくさん話しかける
  • 赤ちゃん言葉を使わない
  • 絵本の読み聞かせをする
  • 歌をうたう

など、積極的に行いましょう。

(4)数と量の概念を理解が深まる「数の敏感期」

自分の年齢にこだわりをもったり、数をかぞえたり、数への強い興味が出てくる時期で、理解も深まります。

4歳から6歳くらいまでに数の敏感期が訪れる子どもが多いようです。

ものを集めたり、分けたり、並べたり、比べたり、数と量の概念を整理しながら、論理的に考えることができるようになっていきます。

<心がけたいアプローチ>
数に興味があるといっても算数などの勉強をさせるのではなく、一緒に楽しむことが大切です。

例えば、

  • 階段の段数を数えながら登る
  • お風呂で数を10まで数える

など、遊びのなかに取り入れます。

 

また、

  • コップに指定した数だけの氷を入れたてもらう
  • おやつを同じ数ずつ取り分けてもらう

などのように、生活の中でも数に親しむようにしましょう。

(5)日常のすべてを吸収する「秩序の敏感期」

自分の周りがどうなっているのかを、日々、ものすごい勢いで吸収する時期です。

物事の順番やある場所な無意識に記憶をしていくため、秩序が乱れると激しく泣いたり、怒ったりすることもあります。

 

例えば、

  • いつもと同じ散歩ルートや帰り道でないと大泣きする
  • いつもの食器やスプーンじゃないと怒って食べない
  • 身支度の順番にこだわる
  • 片付ける場所や順番にこだわる

など、この時期に見られるのは秩序の敏感期で、生後数か月からはじまり、23歳に最も強く表れます。日本でいう「イヤイヤ期」の時期となります。 

<心がけたいアプローチ>
「いつもと同じ」を心がけるようにする
  • 同じ散歩ルート
  • 朝起きてから出かけるまでの身支度の順番
  • いつもと同じ配膳
  • いつも使っているスプーンやフォーク
  • 同じ場所に置いてある

など。

大人にとっては些細なことでも、子どもにとっては大きな不安につながることがあります。

毎日同じルールで行うことで、それが何かを理解して、次に何が起こっても待ち構えることができるようになります。
もしも、いつもと同じようにできない場合は、いつもより手を貸してあげるようにしてみましょう。

(6)知的好奇心が高まる「文化の敏感期」

5~6歳になると身近なものから、世界や文化などありとあらゆるものへと興味が広がる時期です。

想像力が発達し、音楽や美術、歴史、世界、生き物などさまざまなものに対しての知的好奇心が高まります。詳しく知りたいという欲求ももつようになり、興味のあるものは、図鑑なども読み込むほど夢中になります。

この時期に多くの物事や人に接することで、社会的な役割を明確にできるようになるといわれています

<心がけたいアプローチ>
この時期は、本物に触れる機会を多くつくることがおすすめです。
  • 自然に触れ見つけたものを図鑑などで調べる
  • 美術館や博物館に行く
  • 旅先の場所を地図などで調べる

など、子どもの興味が深まるような環境を用意するようにします。

5.「モンテッソーリ教育」についてよくある質問

さいごに、参考までに「モンテッソーリ教育」について、多く寄せられている質問をまとめました。

Q1.「モンテッソーリ教育」は英才教育や早期幼児教育と一緒なの?

A.英才教育や早期幼児教育とは違います。

「モンテッソーリ教育」は、子どもに知識を詰め込むのではなく、あくまでも子どもの気持ちや意思を尊重し、自ら「学びたい」という欲求を育てるものです。そのために子どもの発達段階にあわせた環境を用意して、

潜在能力を引き出します。ですから、教室に通うということではなく、日々の暮らしのなかの教育でもあります。

Q2.自分のやりたいことばかりをさせて、わがままにならない?

A.「モンテッソーリ教育」は子どもにやりたい放題にさせることではありません。

やってよいことダメなことの境界線は大人がきちんとルールを決めることは大切です。

その中で、子どものペースで興味あることを好きなようにやらせてあげます。

けして「こうしなさい」などの指示をするのではなく、大人は必要な時だけサポートするように一歩引いて見守ります。ですから、この教育法でわがままになるということはありません。

Q36歳を過ぎてしまったけれど手遅れ?

A.生きるための大切な能力が得られる「敏感期」が集中するのは6歳までということから「モンテッソーリ教育」では幼児期を重視しています。ただ、敏感期は大切な時期ですが、手遅れだと思う必要はありません。

脳は訓練によって成長し続けるので、子どもが今どんな敏感期なのかを観察して、それにあったアプローチで寄り添うことが大切です。それによって、子どもが自分で成長するチャンスをつくることができます。

Q4.モンテッソーリスクールに通いたいけどどうしたらいい?

A.日本でも「モンテッソーリ教育」を導入している約590か所の認可保育園や幼稚園がありますが、小学校以上は義務教育課程に含まれていないため、公立の小中高校はありません。

それでも、数は少なく認可外の学校もありますが、インターナショナルスクールを中心に「モンテッソーリ教育」を導入している学校があります。また、なかには、一部のみを導入しているというスクールもありますので、どのようなものを求めるかによって選択肢は広くなります。

最近では、インターネットでも簡単に探すことができますので、通える範囲のスクールをいくつかピックアップして、まずは体験をしてみることをおすすめします。

また、学校は少なくなりますが、各ホームページから問い合わせができます。

Q5.モンテッソーリスクールが近くにない場合は?

A.「モンテッソーリ教育」は、家庭でも取り入れ事ができるので、近くにスクールがない場合でもあきらめる必要はありません。

自宅で子どもが自由に活動できる環境を用意して、モンテッソーリ活動ができるようにしてみましょう。最近では、「おうちモンテ」を取りいれている方も増えています。

さいごに

いかがでしたか。

子のども可能性をできるだけ広げてあげたいと願う親にとって「モンテッソーリ教育」は、魅力的なメソッドですよね。また、教育法としてはもちろんですが、日々の子育てにも大いに役立つことがわかりました。

 

現に、「モンテッソーリ教育」について書かれた書籍などでは、育児が楽になると紹介されています。

 

もちろん、すべてがモンテッソーリ教育どおりでなくともいいと思います。

それでも、やらないよりはやったほうがいいということは確かに多くありますので、よいところは積極的に取り入れたいですよね。

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